(連続意見書方式の売価還元低価法の取扱い)
モン吉:「売価還元原価法と売価還元低価法の評価額の差額が低価法評価損なんですね?」

講 師:「これは必ずしもそうじゃないんだ。」

モン吉:「えっ。どういうことですか?」

講 師:「これは説明がちょっと難しいんだけど、連続意見書では評価損を出すことは考えていないんだ。」

モン吉:「低価法なのに評価損を出さないんですか?」

講 師:「そうなんだ。もともと売価還元低価法は異なるいくつかの商品をグループにして計算してるよね。」

モン吉:「たくさん商品があるのが前提でした。」

講 師:「だからかなり簡便法なんだよ。売価還元低価法もきちんとした低価法とはいえない面があるんだ。」

モン吉:「きちんとしてない?」

講 師:「時価が下がるものもあれば、上がるものもあるハズだよね。所詮は数種類の中の平均的な値下がりにすぎないからね。」

モン吉:「きちんとした低価法とはいいにくい面があるんですね。」

講 師:「それで評価額だけは低めに出しておしまいっていうのが連続意見書の考えている売価還元低価法なんだ。」


(売上原価への算入)
モン吉:「それじゃあ評価損部分はどうなっちゃうんですか?」

講 師:「自動的に売上原価に算入されることになるね。」

モン吉:「自動的に売上原価に算入?」

講 師:「売上原価は期首+当期−期末だよね。」

モン吉:「売価還元法では、期末部分を求めているんですよね。」

講 師:「そうだね。期末部分を低く求めると結果として売上原価はその分大きくなるだろ。」

モン吉:「そのことを売上原価に算入するっていってたんですね。」

講 師:「そうさ。期末商品を小さく評価することで売上原価が大きくなっておしまいさ。」

モン吉:「じゃあ売価還元低価法はおしまいですね。」

講 師:「いや1点だけいいかな。」

モン吉:「えーっ。まだ、あるんですか?」

講 師:「連続意見書では評価損は出さないと考えているんだけど評価損を出すのが正しいという考えもあるみたいだね。」

モン吉:「またですか。ホントに1個に統一してもらわないと困ります!!」

講 師:「そうだね。僕もお願いしたいところなんだけど。」

モン吉:「その場合は売価還元原価法と売価還元低価法の評価額の差額が低価法評価損でいいんですね?」

講 師:「そうだね。連続意見書にもない方式なんで出題はして欲しくないな。」

モン吉:「実際の出題はどうなんですか?」

講 師:「新しく出来た棚卸資産基準でも同じような考え方を引き継いでいるし、税理士試験では平成17年、平成18年と出題があったけど、その辺は考慮されているみたいだよ。」

モン吉:「その点は一安心と。」


モン吉くんと学ぶ売価還元法・応用編(8)


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