(ボックス図の考え方)
講 師:「それぞれの金額の意味はいいかな?」

モン吉:「はい。」

講 師:「このボックス図は、式でいえば期首商品棚卸高+当期商品仕入高−期末商品棚卸高=売上原価だね。」

モン吉:「式でいえばそうですね。」

講 師:「結局は、(期首)最初にこれだけあって、(当期)これだけ増えて、(期末)これだけ残ってたら、(売上原価)これだけなくなった。」

モン吉:「そんなことは考えたことがなかったです。」

講 師:「例えばモン吉くんがチョコボールを1個もっていた。」

モン吉:「おあっ。チョコボールだ。」

講 師:「チョコボールを4個買って、何個か食べたら2個残っていた。モン吉くんが食べたチョコボールは何個?」

モン吉:「えーっと。1個あって4個買ったらあわせて5個。2個残ってるから食べたのは3個です。」

講 師:「そう3個だね。」

モン吉:「そのくらいの計算はボクにもできます。」

講 師:「ボックス図も同じさ。」


    チョコボール
最初の分(1)  食べた分(?→3)

買った分(4)  残った分(2)


講 師:「チョコボールだって、商品だって同じさ。物(商品)の増減を図にしたに過ぎないんだ。」

モン吉:「ボックス図ってそういう意味なんですね。」

講 師:「だから材料とか、仕掛品とか、製品なんかにも同じ考え方が通用するんだ。」

モン吉:「全部、物の動きで考えられるからですね。」

講 師:「そうだね。ボックス図は借方と貸方でバランスがとれていればいいから、商品の数でも成り立つよ。」

モン吉:「チョコボールの例は数ですもんね。」

講 師:「通常のボックス図は全部が原価で成り立っている感じだね。」

モン吉:「全部が売価でもいいんですか?。」

講 師:「そうだよ。いい感じじゃないか。統一がとれていれば売価でもいいんだ。」

モン吉:「でも売価でボックス図を書くことは普通はないですよね。あっ!!!。ここで使うんですね。」

講 師:「そうだよ。モン吉くん。全部が売価ってことを利用すれば、帳簿棚卸売価が算出できるよね。」

モン吉:「えーっと、もう一度お願いします。」

講 師:「さっきのチョコボールの例で考えようか。」

モン吉:「どう考えるんですか?」

講 師:「チョコボールを4個買って、2個食べたら2個残っていた。なくなってしまったチョコボールは何個?」

モン吉:「えーっと。1個あって4個買ったらあわせて5個。2個食べて、2個残ってるからなくなったのは1個です。」

講 師:「それもボックス図で考えられるよね。」


     チョコボール
最初の分(1)  食べた分  (2)
         なくなった分(?→1)
買った分(4)  残った分  (2)


モン吉:「あっ。ホントだ。ボックス図の差引で計算できるんですね。」

講 師:「じゃあ通常のボックス図に戻そう。」


  仕入(商品)
期首商品  売上原価

当期仕入  期末商品


講 師:「ボックス図をみてごらん。ボックス図をまずは全部売価で考えるんだ。」

モン吉:「売上原価のところは売上高になりますね。」

講 師:「そうすると期末部分が差額で出せるだろ。」

モン吉:「そうですね。」

講 師:「期首にこれだけあって(期首)、当期にこれだけ増えた(当期)、売れてなくなった分(売上原価)を全部売価にして差引けば、期末にあるハズの商品(期末)の売価が出るよね?」

モン吉:「ボックス図の期末部分が期末商品帳簿棚卸売価なんですね。」

講 師:「そう、あるハズの期末商品売価さ。」

モン吉:「帳簿棚卸売価(あるハズの売価)と実地棚卸売価(実際にある売価)の差がなくなった分の売価、つまり棚卸減耗売価ですね。」

講 師:「そう、その金額に原価率をかければ棚卸減耗費ってことになるよね。」

モン吉:「いや、これは大変ですね。」

講 師:「でも慣れるとそれほどでもないから。最初にじっくり。」

モン吉:「あとは死ぬほどですね。」

講 師:「まだ、僕の講座で死者は出てないから安心だよ。」

モン吉:「今、ボクはちょっと不安なんですが………。」


モン吉くんと学ぶ売価還元法(3)

モン吉くんと学ぼう!!<目次>