モン吉くんと学ぶ売価還元法（６）

（売価還元法の考え方）
講　師：「問題はどうだったかな？」

モン吉：「問題は解けました。式にあてはめればイチコロです。」

講　師：「強気だなあ。でも、問題を解いた後に少し式の意味を考えてみるといいね。」

モン吉：「原価率の算出でいったい何をやっているのかはピンときません。」

講　師：「問題は式を理解して数字をあてはめればできるけど、少し考えておこうか。」

モン吉：「そこまでの必要はあるんですか？」

講　師：「そこまで考えてなくてもとける出題が多いかな。」

モン吉：「それじゃあ軽めにお願いします。」

講　師：「まずは単純な問題をいつでもとけるようにする。その後、余裕があったら考えてみるという感じでいいかな。」

モン吉：「どう考えればいいんですか？。」

講　師：「売価還元法は、当期の総平均原価を考えて原価率を出しているのさ。」

モン吉：「？？？」

講　師：「ちょっとわかりにくいかな。原価率は比率だから分母と分子の対応を借方でとっているのさ。」

モン吉：「なんだかちっともわかりません。」

講　師：「ちょっと具体的な例で考えてみよう。」

期首１個　原価　７０円
期首１個　売価１００円
当期１個　原価　８０円
原始値入額　　　２０円
売上１個　売価１００円
期末１個　売価１００円

講　師：「この条件で売価還元法の原価率はいくつかな？」

モン吉：「えーっと。分子と分母を出して、分子÷分母っと。」

分子：期首原価７０円＋当期仕入８０円＝１５０円
分母：期首売価１００円　当期仕入８０円＋原始値入額２０円＝２００円
分子÷分母＝７５％

モン吉：「７５％です！！」

講　師：「そうだね。」


（先入先出法）
講　師：「この例では先入先出法で期末商品を出せるけどいくらかな？」

モン吉：「えーっと期首の商品が１個７０円で当期に仕入れた商品は１個８０円。先に仕入れた７０円が出て行くので期末は８０円です。」

講　師：「原価率は？」

モン吉：「原価率も出すんですか？意外に面倒なんだよな。」

講　師：「何かいった？」

モン吉：「なんでもないでーす。えーっと。売上原価が期首７０円＋当期８０円−期末８０円で７０円っと。原価７０円÷売価１００円＝原価率は７０％です。」


（後入先出法）
講　師：「じゃあ後入先出法だと期末は？」

モン吉：「後入先出法はっと。後に仕入れたものが先に出て行く。期末は先に仕入れたものが残るっと。期末が７０円です。」

講　師：「原価率は？」

モン吉：「えーっと、売上原価が期首７０円＋当期８０円−期末７０円で８０円っと。原価８０円÷売価１００円＝原価率は８０％です。」

　
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Comments

[1. mimi]

　だんだん話も深くなってきて、モン吉くんもがんばってますね！先のお話も楽しみにしてます！　　　こちらの会計基準の穴埋めを使って、キーワードを覚えていくことにしました。超短答問題もプリントアウトして読ませてもらってます。答えが自然に出てきたりした時はちょっとうれしいです　　　理論の問題は確かに成果が見えにくいです。でも先生のアドバイスとおり、めげずにがんばります。分からないところあったらまたよろしくお願いします。経過勘定はなんとか飲み込めたかんじです。あとは忘れないようにマメに反復します。　

[2. 講師]

モン吉くんの話は必要以上には深くならないように注意しつつ進めたいと思います。

理論はいろんな角度からコツコツやる以外にないかもしれないですね。
ご自分で「あれっ」とか思ったときにそこを大事にして、つながりを考えたり、調べたりすると後の記憶の持ちがとてもよいと思います。
まあ、私なんかすぐ忘れてしまうんで、何かとムリにでもつなげないと講義に支障がありますんで。

なにかありましたら遠慮なくおっしゃってくださいね。
コツコツがんばりましょう！！（経過勘定も何らかの形でとりあげられたらと思っています）

[3. mimi]

もし機会があったら経過勘定取り上げてくださいね。　私もすぐ忘れます。これはほんっとになんとかしたいです！　　先生のアドバイスも実践してなんとか記憶をとどめていきたいと思います。　　今日早速テキストを読んでて、あれ？と思いました。私は今まで収益と収入または費用と支出を、言葉こそ違うけど、意味は同じだと思ってました。収益と収入って意味違いました。だから経過勘定が苦手なんだ…と思いしらされた日でした。

[4. 講師]

そうですね。
経過勘定は何か考えてみます。

収益と収入、費用と支出。
損益計算書原則一Ａですね。

収入や支出は（過去・現在・未来）の現金の出入で、それを収益や費用に変換する感じでしょうか。

ちょっと考えてみます。
あ、あと注解５の表現そのものは私も一度も覚えられたことがありませんので、文章を一字一句という感じでなくてもいいと思います。

[5. mimi]

こないだ授業で静態論と動態論をやりました。そこから苦手な経過勘定に戻ったら収益って？収入って？となって、二つとも同じ意味合いで捉えてた自分に気がついたんです。そもそも会計原則とは逆に収益・費用が決まってから収入や支出になると思ってたところから違ってましたね。とウンウンしばらく考えて、今こちらの「利益とは何か？」読ませてもらって、ずいぶんスッキリしました。私は貸借対照表からみえる「時間」というものも理解していなかったので、当然「割引現在価値」も苦手でした。でも「割引現在価値」も今やっと納得できたような感触があります。これってコツコツ→ズルズルになってますか？（笑）　

[6. mimi]

まだ包括利益の意味もちゃんと分かってないよな感じではありますが、もう１つモヤモヤしてるのが、貸借と損益を見比べて「なぜ純資産＝純利益にならないか」てことです。昔小さな会社の経理をやっていて、そこで資金繰りもやっていたんですが、損益はどんどん立派になっていくのに、資金繰りはさほど楽にはならず釈然としなかった記憶があります。それも「なぜ純資産＝純利益にならないか」が分かると晴れてくるでしょうか？　当時損益ばかり着目せず、貸借も大事にみてたらもっと上手に資金繰りできてたんでしょうか？　一気に読むと頭がボンっていいそうなので（笑）明日続きの「リスクからの開放とは何か？」を読ませてもらおうと思っています。何か見えそうで見えないものを追っかけてる感じでワクワクします　　て、すごく長くなってしまってすみません。

[7. 講師]

とってもいいじゃないですか！！
今まで気が付かなかったことに意識がむくと他の事がこれまでと違ってみえる。
そのつじつまをとろうとして実際に整理できたり、できなかったり。
私は今でもその繰り返しです。

なかなか全部がスッといく（というか全部スッといったら間違いなく財表受かってます）訳にはいかないと思いますが、ちょっとずつって感じかもしれませんね。

でもズルズルの方程式（←そんなのあるか？）は手に入れられたのではないかと思います。
私も何かうれしいです。

[8. 講師]

静態論とか、動態論とかもなんだか（字が難しいせいか）わかってなかったのが、ある時期急に明るくなった記憶があります（時期はもっと後ですが）。

包括利益やリスクからの解放は、ちょっと時間がかかると思います（というか私が時間かかってます）。
財表の受講者には記事の評判もイマイチでした（わかりにくい等）。

収入や支出は「現金」の出入りなんです。
収益や費用は「財産（純資産・純財産）」の出入りなんです。
でも収益や費用はちょっとインチキくさくて、いきなりはわからないんで、いったん収入と支出でたてておいて、それを決算で修正する感じです。

[9. 講師]

貸借の項目は「実際にあるもの」なんですね。
プラスの実際にあるものが資産で、マイナスのあるものが負債。
その差額が純資産。

収益や費用は、「実際にあるもの」が増える（減る）原因。
あるいは「実際にあるもの」が増えたり減ったりというできごと。
あるいは「実際にあるもの」の出入り（フロー）なんです。

資産や負債は「あるもの」で、
収益や費用は「あるもの」の出入りなんです。

[10. 講師]

年のはじめに１５０センチの人が１年で１５５センチになった。
年初や年末に１５０センチや１５５センチという体はあります。
でも、のびた５センチは「あるもの」ではなくて、のびたといういわば結果なんです。

って、私が深入してどうするみたいな。
このあたりもぜひモン吉くんシリーズでやれたらいいなあと思っています。

なんかとてもいい感じだと思いますので、ムリはいけないですが、ちょっと踏ん張っていろいろやってみてくださいね。

[11. mimi]

詳しく説明してくださってありがとうございます。先生の説明はとても納得しました。
経過勘定で決算時に修正するということは、現金の出入りと財産の出入りを一致させる作業ということでしょうか。
貸借は企業の「実際にあるもの」を示していて、どのような活動をしてその「実際にあるもの」になっていったかを損益であらわしているという感じでしょうか。なので損益計算原則のＡは「費用及び収益は、その支出及び収入によって計上し」となっているんですかね。
う〜ん、貸借と損益の関係は深〜いですね。でも探っていくと色んなものがみえてきそうです。

[12. mimi]

リスクからの開放はやっぱり難しいですね。包括利益が何を指すのかは、うっすら分かったような気がします。次は「包括利益と純利益」の記事を読んでみます。これもおもしろそうです。「利益とは何か」からプリントアウトして何回も読み直してみようと思います。きっと読み直すごとに新たな発見がありそうです
ズルズルの方式（きっとあります！）を手に入れられたのは先生のおかげです。ありがとうございます。怠けそうになったらこのズルズルきた時の楽しさを思いだして（変な表現ですが）コツコツやっていきます。また「あれ？」と思ったことは質問させてください。よろしくお願いします。

[13. 講師]

いえいえどういたしまして。
たいへん結構です。
とってもいい感じですよ。
素晴らしいです。
私の受験時代よりいい感じかもしれないです。
その調子でいきましょう！！

ご自分の過去の経験（会社や学習）を踏まえて考えてみる。
なかなかきちんと整理がつかないですよね。
でもその中で整理がついたものは確実に力につながると思います。その力は強いです。
文章丸覚えとは本質的に違いますので。

簿記上は、５区分、というより損益（収益と費用）と貸借（資産、負債、純資産）は、どっちが大事という関係がある訳ではありません。
でも会計の理論では、どっちが大事がある感じでしょうか。

[14. 講師]

静態論は貸借項目を動態論は損益項目を重視しています。
企業会計原則はバリバリの動態論です。
ので、損益計算書原則一Ａでも大事なのは、あくまでも損益（収益や費用）なんでしょうね。

（利息１年分を払った）
支払利息１２０　現金１２０

（３か月分は前払）
前払利息３０　支払利息３０

こんな例ではあくまでも支出１２０を費用９０に換えるのがネライです。
それは３０という前払利息がしょうがなく（そこまではいいすぎか）出てしまう感じでしょうか。
前払利息という貸借項目を出すことは後回しに近いです。
ここが動態論のたぶん要でちょっとわかりにくいと思います。

[15. 講師]

静態論や新しい貸借対照表アプローチは、貸借項目（財産）に注目してます。
しかし、動態論のもとでは財産の増を利益と考えるよりも、あくまでも「収益−費用」なんです。
こんだけ努力した（費用）からこんだけ成果があがった（収益）その純成果（利益）を計算する感じなんです。

もしかすると動態論が一番わかりにくいかもしれないです。
あ、あと包括利益と純利益は新しいことが多いのでちと厳しいかもしれませんが、講義と連動するあたりまでにしっくりくる部分がでてくるといい感じかもしれませんね。

また何か「あれ？」って思われたときのご報告楽しみにお待ちしています。

[16. mimi]

財表の勉強は、実際始めてみて、いい意味で衝撃でした。普段何気なく使っている知識が実はこんな意味を持っているんだなとか、とにかく発見の連続です。それだけ私が普段、深く考えず仕事なり、勉強なりをしてたってことだとも思いますが。。。会計がまたおもしろく感じてきてます。先生の「会計原則を読もう」の中にある、「何？」と「何故？」の記事のいう意味が、やっと分かってきた感があります。これは私にとってはすごく大事です。これを意識するかしないかで、同じ勉強をしていても全然違うものになってきています。
動態論、理屈は頭に入れましたが、確かにピンときません。包括利益と純利益はまたウンウンうなってじっくり理解していこうと思ってます。また報告させてもらいますね！

[17. 講師]

いろんな発見、そして「おもしろい」！！と感じる。
いや実にいいです。
素晴らしいです。
このままの感じを持続・発展できて、計算を死ぬほどとけば（←これはこれでやらないとダメですが）、オッケーです。

先にいくと計算に理論が役立ったりしますので、その楽しみもあるかもしれませんね。
私の楽しみはというとそんな生徒さんを「ああ、伸びたなあ」って横で眺めてることなんです。
実際に生で接している生徒さん以外にもそんな楽しみを味わえそうでワクワクしています。
ちょっとずつ、でも確実にがんばっていきましょう！！

[18. mimi]

計算、し、死ぬほどですか　そうですね、道のりは厳しいですけど、コツコツがんばっていきます。モン吉くんもがんばってるし。
こんないい感じで勉強ができてるのは、やはり先生のブログあってこそです！いつもありがとうございます。あ、あと「企業会計原則の謎」モン吉くんシリーズに続いてお気に入りです。奥が深すぎてなかなかコメントできませんが、更新楽しみにしてます！

[19. 講師]

計算は具体的な数字を扱うんでやっぱり量をこなしているのは強いと思います。
で、理論が面白いと感じられると計算が手薄になっちゃうケースもないとはいえませんので、計算もコツコツやって相乗効果がはかれるといいですね（期待してます）。

モン吉くん、企業会計原則の謎その他、更新、がんばりまっす！！