財務諸表論 超短答問題３６（変更が認められる場合）

（問題）継続性の原則にいう正当な理由による変更が認められるのはどのような方法間の変更か。

（解答）

解答は一番下です。


（コメント）

一般に公正妥当と認められた方法を（○）認められない方法を（×）とすると変更前後の関係は次のような組合せになります。

（１）（○）→（○）
（２）（○）→（×）
（３）（×）→（○）
（４）（×）→（×）

継続性の変更が問題となるのは（１）のみです。

変更後が認められない方法である（２）と（４）はできず、（３）は継続性の原則の問題ではなく、当然の変更であり、誤謬の訂正になります。

気付いたら変更しろって話ですね。

理論でがっつりという感じではありませんが、選択等の知識問題としての出題が考えられます。

（会計基準等）
・企業会計原則　一般原則五　注解３


（財務会計講義＜第25版＞）
・継続性の原則：64頁


（つながる会計理論＜第２版＞）
・2-7　継続性の原則：15頁
・Ch2問題５−１（空欄補充）：1頁


（解答）

認められた方法

Comments

[1. りんごの木]

こんばんは。

継続性が問題になるのは○→○の変更といわれていますが、例えば、ある会計処理方法を原則法から簡便法に変更するといったことは○→○の変更に該当するのでしょうか？

例えば、今まで退職給付会計を原則法でやっていた会社が、従業員が３００人未満となったことから簡便法に変更するといったことは、そもそも認められる余地はありますか？

[2. 講師]

りんごの木さん、こんばんは。

○→○ということでいいとは思います。
ただ、そこが継続性の原則の問題なので「正当な理由」が必要ということではないかと思います。
なにをもって「正当」かは、とても微妙だと思います。
スジを通して考えれば、より合理的な方法への変更でないと意味がないかと思います。
このスジ論からいえば、原則法から簡便法への変更は、通常は、不合理である場合が多いように思います。
しかし、環境変化等の場合の「正当な理由」は、正直なにをもって正当とするかは、余りに微妙な気がしています。

ご案内の退職給付の原則法と簡便法の関係も単に人数だけの問題かは微妙ですし（実務指針でも３００人以上の場合にも簡便法の適用をまったく排除しているようでもないようですし）、個別具体的には、別個の検討が必要なように思います。

[3. タカ]

ソフトウエア償却について質問があるのですが。×1期首から使用開始、×2末において×3の見込み販売収益変更したとします。このとき償却計算の分母なのですが、
×2実績販売収益＋×3修正見込み販売収益と思うんです。前に受けた答練でもこれであってました。
でも他校の答錬では分母が
×2見込み販売収益＋×3修正見込み販売収益
となってました。×2の期末には販売収益が確定してるんで実績を使うとおもうのですが。

[4. 暮木孝司]

これはいつの見直しかに関わることかと思います。
×２年度末に見直したということであれば、×２年度の見積りまでは適正と考えて×２年度末までは従来の見込みで計算しているのではないでしょうか。
実務指針の設例もこのような考え方に基づいているようです。