資本維持の本質に迫るモン吉くんの大冒険。

これまでの話はこちらです。

モン吉くんの大冒険(1)
モン吉くんの大冒険(2)
モン吉くんの大冒険(3)
モン吉くんの大冒険(4)
モン吉くんの大冒険(5)
モン吉くんの大冒険(6)
モン吉くんの大冒険(7)
モン吉くんの大冒険(8)
モン吉くんの大冒険(9)


お母さんの言いつけを忠実に守ったモン吉くん。

お母さんはモン吉くんに100円を残しなさいといいました。

そうすればモン吉くんは次のバナナを買い、そのバナナを売った利益で自分のバナナを買える。

すべてがうまくいくハズでした。

しかし、物価の上昇がそれを許してはくれませんでした。

憎むべきは物価の上昇です。

何も知らないモン吉くんは禁断のチョコボールに手を染めてしまったのです。

それは甘い、甘い誘惑でした。

モン吉くんに罪はありません。

憎むべきは貧困です。

そう、貧困が悪いのです(←話、変ってますが)。


モン吉:「おじさん!!チョコボールください!!」

おじさん:「はいよ。チョコボールね。」

モン吉:「うわっ。久しぶりだな。ウッキッキー。」


モン吉くんは、その場でチョコボールをむしゃむしゃと食べ始めました。

何せこのところバナナしか食べてません。

甘い甘いチョコボールがおいしかったのなんのって。


モン吉:「チョコボールはおいしいなあ。ウッキッキー。」

おじさん:「なんだ。なんだ。あーあー。そんなに口の周りをチョコだらけにして。そんなにおいしいかい。」

モン吉:「おいしい。おいしい。ウッキッキー」


モン吉くんは、チョコボールを食べ終えると、家路につこうとしました。

その時です。


おじさん:「おっと。モン吉くん。ちょっと待った。」


おじさんはそういいながら、四角い箱を机の下からとりだしました。


モン吉:「おじさん。それなあーに。」

おじさん:「これはね。福引だよ。今日はチョコボールの日だからね。」


そういいながらおじさんは、モン吉くんの前に箱の中から取っ手の付いた不思議な形をした機械を取り出しました。


おじさん:「さあ、これをグルグル回してごらん。」


中から金色の玉がころがりだしました。

それを見たおじさんは手にもった鐘を高らかに鳴らしました。


カランカラ〜ン。カランカラ〜ン。


おじさん:「すごいねー。1等だ。」

モン吉:「えっ。1等って何。何かくれるの!!」

おじさん:「バナナ1年分!!」


「ウ〜ッ、ウッキッキー」


こうして、福引でバナナ1年分を手に入れたモン吉くんは幸せに1年間くらしましたとさ。

んっ。1年?



今日も野山にモン吉くんの元気な声がこだまします。


ウキッ!?

ウッキッキー!!


おしまい。



で、い、1年ってどういうことよ。

だから1年ってどうよ。

1年って何?


モン吉くんの大冒険(完)