財務諸表論 超短答問題１６（静態論の資産概念）

（問題）静態論のもとでの資産とは何か。

（解答）

解答は一番下です。


（コメント）

静態論は、静的貸借対照表論とも呼ばれ、貸借対照表を企業の清算を前提に考えます。

貸借対照表は、債権者に対する債務の返済能力を示したものであり、そこでの資産は売却価値のある財産に限られます。

資産の貸借対照表価額も売却時価です。

静態論のもとでは売却価値のある財産のみが資産とされ、財産性を有しない繰延資産は資産性を否定されます。

分配可能額を算出する場合に繰延資産が考慮されるのも繰延資産が計算擬制的な資産であり、売却価値を有しないからです。

会社法（会社計算規則）には、静態論的な思考が残っているといえるでしょう。


静態論のもとでの負債は、法的に確定した債務に限定されます。

計算擬制的な負債と呼ばれる引当金も静態論のもとでは負債に該当しません。

（財務会計講義＜第25版＞）
・なし


（つながる会計理論＜第２版＞）
・3-2　静態論と動態論
・Ch3-2問題１−１（空欄補充）
・Ch3-2問題３−１（静態論の資産とは？）


（関連問題）
・問題１２（静態論の中心的利害関係者）
・問題１４（静態論の中心財務諸表）


（解答）

売却価値がある財産

Comments

[1. けいこ]

先生 こんにちわ。注記の書き方について質問なんですけど、テキストではB/S注記で「土地のうち５,000千円が長期借入金11,250千円の担保に供されている」という注記があります。ここでの重要句は土地、5,000千円、長期借入金11,250千円、担保に供されている。だと思うんです(ほぼ全部ですが)
この注記の場合、テキストの注記の書き方以外はバツですか？語句の順番が違うとか…。例えば、長期借入金11,250千円の担保に土地5,000千円が担保に供されている。というのはどうでしょうか?重要句が入ってて、意味がわかればOKかな？と思ったりするんですが、受験上はどうなんでしょうか?

[2. けいこ]

続き
例えば、のところ訂正です。長期借入金11,250千円の担保に土地5,000千円が供されている。というのはどうでしょうか？と書くつもりでした。

[3. 暮木孝司]

けいこさん、こんにちは。

注記は意味がわかればＯｋです。
問題の文章から引っ張ってくる練習をする方がいいかもしれないですね。
文章を覚えるのはできるだけ回避できるといいかもしれないです。
はい。

[4. けいこ]

意味がわかればいいんですね。
ということは、注記に何を書かないといけないかを理解すれば、文章は問題文から引用すると注記が書けるようになるということですね。
少し緩く考えれそうです。

[5. 暮木孝司]

注記に何を書くか。
それが一番大事ですね。
会計方針（企業会計原則注１−２）は参考になるかもしれません。
後はゆっくりでいいかもしれないですね。