財務諸表論 超短答問題１８（会計公準の種類）

（問題）企業会計の基礎的前提としての会計公準を三つあげよ。

（解答）

解答は一番下です。


（コメント）

「会計公準」」とは、企業会計の基礎的な前提です。

一般的な会計公準として、企業実体の公準、会計期間の公準、貨幣的評価の公準があります。


（１）企業実体の公準とは、企業をその計算単位とする公準をいいます。

企業会計の場所的な限定といわれたりしますが、対象となる企業の活動を記録・報告するというごくあたりまえの前提です。

直接的に試験に出題される可能性は低いでしょう。


（２）会計期間の公準とは、企業会計が期間を区切って行われる前提をいいます。

このような前提が置かれるのも企業が清算を前提とせず、継続的・永続的な企業活動を目指しているからであり、ことからこの公準は、「継続企業の公準」とも呼ばれます。

企業活動が継続するからこそ期間計算を行う必要があり、企業の支出も費用として配分されます（費用配分の原則）。

有形固定資産における費用配分の具体的な手続が減価償却です。


（３）貨幣的評価の公準とは、企業会計が貨幣（我国では円）をもって行われる公準をいいます。

貨幣的な評価ができない項目は、会計記録の対象にもなりません。

（過去出題との関係）
・平成11年に会計公準を３つあげてそれぞれ説明させる出題がありました。
・平成25年に継続企業の公準を25点のテーマに置いた出題がありました。


（財務会計講義＜第25版＞）
・会計公準：56頁〜


（つながる会計理論＜第２版＞）
・2-1　会計公準
・Ch2問題６−１（正誤）


（解答）

（１）企業実体の公準
（２）会計期間の公準（または継続企業の公準）
（３）貨幣的評価の公準

Comments

[1. nob]

先生こんにちは。

簿記の授業も早４回目が過ぎました。
本試験まであと何十回も授業があります。

車両を売却した時の仕訳について分からないのですが、

売った車両は、帳簿価額で帳面から減少させ、入金代金との差額を固定資産売却益もしくは損勘定へ振り返る処理は間違っているのでしょうか？

テキストでは、売却時点の減価償却費を算出しないとダメみたいなのですが。。

売却時点の減価償却費を計上しないやり方も存在するのでしょうか？

[2. kamisuechi]

先生こんばんわ。

会計観の変遷において、資産負債アプローチへの重視に警笛を鳴らしているのがほとんどなんですね。勉強になりました。

また質問させてください。

貸倒引当金の取り崩しの処理についての質問です。

貸倒引当金が、売上債権の税込金額に対して設定される場合なんですが、

この売上債権が貸し倒れた場合で、会計処理を税抜方式で行っている問題がありました。

仕訳の処理が、

貸倒引当金の設定時

貸倒引当金繰入 4200 貸倒引当金 4200

貸倒引当金の取り崩し時

貸倒引当金 4000 売掛金 4200
仮受消費税等 200


設定時は税込金額で、取り崩しの時は税抜金額で処理している事に違和感を覚えました。

これはどのように理解すればいいでしょうか？

[3. kamisuechi]

PL総額主義の原則の例外の中で、売上高、仕入高の純額表示がありますが、純額表示の根拠として、

機密の漏洩の防止、値引き割り戻しの区別がつかない。とありますが、

値引き割り戻しの区別がつかない事が、何故純額表示につながるのでしょうか？

[4. 暮木孝司]

nobさん、こんばんは。

ここはなかなか奥深いところで日商当たりでは同時に減価償却費をたてる方法しか紹介されていませんが、マイナーも含めると３つ考えられます。

次の問題の解説部分に紹介してありますのでよろしかったらご覧になってみて下さい。

http://bokiron.livedoor.biz/archives/14193991.html

[5. 暮木孝司]

kamisuechiさん、こんばんは。

これはその手前の仕訳（売上計上時）を考えるとわかりやすいかもしれません。

売掛金4,200　売　　　　上4,000
　　　　　　　　　仮受消費税　200

貸倒れがあったときの消費税の話は、実際には売上の逆ではなくて、税額控除です。
そもそも売上の際に消費税をとっている分が売掛金が貸倒れたときに面倒をみてくれる感じですね。

ちなみに税法ではそもそも貸倒引当金のことは何も考えていないと思います（設定されているいない等）。
消費税的にみて関係するならこれを会計上も別建するだけって感じかもしれないです。

２個目の話はちょっと聞いたことがないですね。
想像になってしまいますが、定価をいくらにして値引きをどれだけするかはちょっと戦略っぽいですね。
定価を高くして値引きを大きくするケースもあるでしょうし、そんなことはしないで堂々と勝負するケースもあるでしょう。
自分のとこの値引率等はちょっと隠したいところかもしれません。

割戻しはごく一般的には事前に数量の基準を示しているケースが多くて、丸秘という感じではないかもしれません。
でも基準が明確でないケースなどでは、値引きとの区別が難しかったりするかもしれません。
そう考えると両方引いちゃうというのが自然なのかもしれないですね。

[6. kamisuechi]

ありがとうございます。

何度もすいません。
もう一つ質問があります(^^;;

企業会計原則の貸借対照表原則の五の費用配分の原則に、

『資産の取得原価は、資産の種類に応じた〜』とありますが、

ここでいう資産の種類が何をさしているのかが気になっています。

文章の後段には、固定資産の内容のみ記載されてますが、

棚卸資産にも、費用配分の原則は適用されると思います。

つまり、費用配分の原則は、固定資産のみならず棚卸資産にも適用がされると思いますが、固定資産の内容のみ記載されていることから、資産の種類は何をさしているのかが気になっています。

五のAに棚卸資産の評価に関する内容が記載されているのはわかりますが、費用配分の原則として考えた場合は、引っかかってしまいます。

気にしない方がいいんでしょうか？

[7. 暮木孝司]

kamisuechiさん、こんばんは。

なるほど。
余り考えたことがなかったです。
ここで棚卸資産にふれていないのは、棚卸資産が費用配分としてはわかりやすい（無くなった量が明確）だからかもしれません。

固定資産等について触れているのは、わかりにくい（減った事が明確でない）資産をとりあげているのかもしれないですね。

[8. nob]

先生ありがとうございました。

なるほど。過去の本試験でも出題されていたわけですね。

試しに解いてみましたが、計算がめんどくさいですね。。。
級数法における月割計算は、問題集レベルではあまり見たことなかった（やってないだけかも）ので、なんか勉強にもなりました