会計基準、読んでますか?

会計基準が過去出題にどのように反映されているのか。

財務諸表論の過去問を小問化してお届けしています。


平成18年第二問の出題は、減損会計でした。

この年のヤマ的な項目でド本命からの出題です。

意見書の穴埋め等、減損損失の認識と測定、低価基準との関連と大きなテーマ性を持ちつつ、他項目との関連も問う出題でした。

最近の出題傾向です。

特に出題形式から想定されそうな項目についての本年の対策はしっかりうっておくべきでしょう。

(1)意見書の基本的部分の穴埋め

(2)基準本編+計算でもお目にかかる部分(要は大事な部分)の説明

(3)説や処理法の分岐(二つ説や処理法がある場合にその名前と簡単な説明)

(4)考え方の共通する関連項目(←これは厳しいですが、できるだけ共通点を見つける努力はしましょう。このブログでもできるだけ指摘しているつもりです。)



意見書の最初の方をよく読んでいるか。

基本的な減損会計の考え方を自分のものとしているか。

この二点が大きかったのではないかと思います。

減損会計という比較的新しい領域だけに難易度は高いと感じられたかもしれません。

減損会計でいったい何を計算しているのか。

そもそも減損処理とは何なのか。

こんな基本的事項を自分の言葉で説明できるような勉強の仕方をしていると解答にかなり有利です。

意見書を必ずしも熟読していなくてもそんな理解があれば、「使用」と「売却」という回収手段も出やすいのではないかと思います。

ただ、現実的には初見ではやや厳しいかもしれませんが。

このような会計処理が誰もが知っているであろう他の会計処理(低価基準)とどのような関係を持つのか。

そんなことに思いをめぐらせたことがあるかどうかが後半の問題の解きやすさに直結したのではないかと思います。

また、説の名称自体が出るかどうかは大きかったと思います。

でないとそれ以後がガタガタになってしまうと思いますので。

今後も、考え方(説の分岐)には、注意する必要があるでしょう。


総じて短い言葉で端的に解答を要求している。

そんな特徴があるといえるかもしれません。

実際の試験委員の出題の関係はよくわかりません。

一般的には新任の先生が第二問、重任の先生が第一問です。

この問題を作成された先生が来年の第一問を担当すると考えるのが一般的かもしれません。

計算で誰もが知っている項目の計算をしっかり(理解してやっていれば)できるような内容を多く含んだ出題がされるのではないかと予想しています。

というかそういう出題をよろしくお願いいたします(って、頼んでもダメでしょ。んっ、これは頼めば大丈夫か。んっ、てか、それじゃ何だかわかんないか)。