会計基準、読んでますか?
会計基準が過去出題にどのように反映されているのか。
財務諸表論の過去問を小問化してお届けしています。
(問題)
棚卸資産の評価に低価基準が適用される根拠として、保守主義説の他に2つの説がある。
2つの説を示し、それぞれの説についてどのような時価が適用されるかを示しなさい。
(解答欄)
( )説 時価=( )
( )説 時価=( )
(解答)
会計基準が過去出題にどのように反映されているのか。
財務諸表論の過去問を小問化してお届けしています。
(問題)
棚卸資産の評価に低価基準が適用される根拠として、保守主義説の他に2つの説がある。
2つの説を示し、それぞれの説についてどのような時価が適用されるかを示しなさい。
(解答欄)
( )説 時価=( )
( )説 時価=( )
(解答)
(有効原価 )説 時価=(再調達原価 )
(回収可能原価 )説 時価=(正味売却価額 )
(別解)
正味売却価額は、正味実現可能価額でもかまいません。
連続意見書では、正味実現可能価額と呼び、棚卸資産基準では正味売却価額と呼んでいます。
棚卸資産基準では、どちらも同じとされています(33項)。
「実現」という表現を避けたということのようです。
(関連会計基準)
・連続意見書 第四 第一三1
・棚卸資産基準 36項
(コメント)
連続意見書では、低価基準は、取得原価主義の例外として保守主義的見地から認められるものと考えています。
合理性はないけど、実務的にも認められてるし、まあいっかという感じです(いい加減な)。
購入市場と売却市場とが区別されるような商品(コンビニで売ってるような商品)は、消費者への売価と業者からの仕入値がそもそも違います。
両者が同じケース(株式等)はどっちも同じです。
低価基準を採用する場合の時価には、売ったらいくらか(正味実現可能価額)と、買ったらいくらか(再調達原価)があります。
それぞれの説の名前としては、回収可能原価説と有効原価説という名前が一般的でしょうか。
ここは名前が出ないと後もしんどいので微妙です。
商品の原価は買った値段(過去の支出額)です。
低価基準を費用配分の一種とみるなら過去の支出額(原価)−現在の支出額(再調達原価)が相応しいといえるかもしれません。
差引計算をするのは、同系列の「支出額」でバランスがとれているからです。
これに対して、過去の支出額(原価)−現在の回収額(正味実現可能価額)とする考え方があります。
むむむっ。一方は支出額なのに、一方は回収額をとってます。
バランスはとれているんでしょうか?
両者の相違は、損益計算、いや会計全般に対する見方の違いといってもよいかもしれません。
有効原価説では、実現した収益−当期に配分された過去支出と考えているといったところでしょうか。
その根底には、過去の支出額の配分という考え方(費用配分の原則)があります。
ざっくりといってしまえば動態論(収益費用アプローチ)的です。
これに対して回収可能原価説では、損益計算を回収した資本(収益)と投下した資本(費用)の差引計算とみています。
低価基準も支出原価の配分とは考えていません。
過去支出額のうち回収が不能な部分の切り捨てと考えているという感じでしょうか。
このように棚卸資産の収益性の低下(将来の収益=回収額の低下)を帳簿価額に反映させる処理が低価基準と考えている訳です。
さっくりといってしまえば、貸借対照表アプローチ的です。
余談ですが、このような考え方のもとに棚卸資産に対して低価基準が強制されることが予定されています。
もっとも棚卸資産に対して低価基準のみしか適用されないとすれば、低価基準という呼び名そのものも不要ということにもなるかもしれません。
(回収可能原価 )説 時価=(正味売却価額 )
(別解)
正味売却価額は、正味実現可能価額でもかまいません。
連続意見書では、正味実現可能価額と呼び、棚卸資産基準では正味売却価額と呼んでいます。
棚卸資産基準では、どちらも同じとされています(33項)。
「実現」という表現を避けたということのようです。
(関連会計基準)
・連続意見書 第四 第一三1
・棚卸資産基準 36項
(コメント)
連続意見書では、低価基準は、取得原価主義の例外として保守主義的見地から認められるものと考えています。
合理性はないけど、実務的にも認められてるし、まあいっかという感じです(いい加減な)。
購入市場と売却市場とが区別されるような商品(コンビニで売ってるような商品)は、消費者への売価と業者からの仕入値がそもそも違います。
両者が同じケース(株式等)はどっちも同じです。
低価基準を採用する場合の時価には、売ったらいくらか(正味実現可能価額)と、買ったらいくらか(再調達原価)があります。
それぞれの説の名前としては、回収可能原価説と有効原価説という名前が一般的でしょうか。
ここは名前が出ないと後もしんどいので微妙です。
商品の原価は買った値段(過去の支出額)です。
低価基準を費用配分の一種とみるなら過去の支出額(原価)−現在の支出額(再調達原価)が相応しいといえるかもしれません。
差引計算をするのは、同系列の「支出額」でバランスがとれているからです。
これに対して、過去の支出額(原価)−現在の回収額(正味実現可能価額)とする考え方があります。
むむむっ。一方は支出額なのに、一方は回収額をとってます。
バランスはとれているんでしょうか?
両者の相違は、損益計算、いや会計全般に対する見方の違いといってもよいかもしれません。
有効原価説では、実現した収益−当期に配分された過去支出と考えているといったところでしょうか。
その根底には、過去の支出額の配分という考え方(費用配分の原則)があります。
ざっくりといってしまえば動態論(収益費用アプローチ)的です。
これに対して回収可能原価説では、損益計算を回収した資本(収益)と投下した資本(費用)の差引計算とみています。
低価基準も支出原価の配分とは考えていません。
過去支出額のうち回収が不能な部分の切り捨てと考えているという感じでしょうか。
このように棚卸資産の収益性の低下(将来の収益=回収額の低下)を帳簿価額に反映させる処理が低価基準と考えている訳です。
さっくりといってしまえば、貸借対照表アプローチ的です。
余談ですが、このような考え方のもとに棚卸資産に対して低価基準が強制されることが予定されています。
もっとも棚卸資産に対して低価基準のみしか適用されないとすれば、低価基準という呼び名そのものも不要ということにもなるかもしれません。
過去の支出額(原価)−現在の支出額(再調達原価)
は何を表していますか。