会計基準、読んでますか?
会計基準が過去出題にどのように反映されているのか。
財務諸表論の過去問を小問化してお届けしています。
(問題)
金融商品に関する会計基準(以下「基準」という。)においては、売買目的有価証券について時価をもって貸借対照表価額とし、その評価差額は当期の損益として処理することとされている。基準で示されたこうした会計処理の根拠を、(未実現収益は、原則として当期の損益計算に計上してはならないとする)会計処理(実現基準)と関連させながら論じなさい。
(解答)
会計基準が過去出題にどのように反映されているのか。
財務諸表論の過去問を小問化してお届けしています。
(問題)
金融商品に関する会計基準(以下「基準」という。)においては、売買目的有価証券について時価をもって貸借対照表価額とし、その評価差額は当期の損益として処理することとされている。基準で示されたこうした会計処理の根拠を、(未実現収益は、原則として当期の損益計算に計上してはならないとする)会計処理(実現基準)と関連させながら論じなさい。
(解答)
実現基準によれば売買目的有価証券の評価益は未実現利益であり、これを認識することは認められない。
しかし、売買目的有価証券は、時価の変動により利益を得る目的で保有する有価証券であり、投資者にとっての有用な情報は期末の時価にあるので、時価で評価される。
また、売買目的有価証券は、売却に制約がなく、時価の変動にあたる評価差額が財務活動の成果であると考えられるため評価差額が当期の損益とされる。
(関連会計基準)
・金融商品会計基準 15項
・金融商品会計基準 70項
(関連記事)
・実現とは何か(1)〜(9)
(コメント)
実現主義という切り口(大きなテーマ)で有価証券の評価という枝は、事前に想定しにくいです。
その意味で、地の力が問われる出題ではないでしょうか。
実現主義は、収益の認識(いつ)の考え方です。
収益を第三者との実際の取引(販売等)を行ったタイミングで認識する。
それが実現主義の考え方です。
第三者との客観的取引のタイミングで収益を認識すれば、客観性・確実性が保てるからです。
このような客観性・確実性を兼ね備えた収益の認識は、処分可能な利益の算定に役立ちます。
一方、有価証券の時価の変動は、具体的な誰かとの取引ではありません。
時価が上がったら評価益を計上する。
このことは、企業会計原則にいう実現主義では説明できません。
実現主義(狭義)と有価証券の時価評価は矛盾します。
解答は金融商品会計基準をベースにしています。
もっと大胆に短くていいと思います。
特に根拠等に関しては、意見書等をベースにしながらも自らの言葉でスジをはずさないで短くいえる。
普段の学習におけるそんな姿勢が実際の試験でも有効なことがわかります。
また、実現可能概念やリスクからの解放概念を用いた解答も考えられます。
実現基準(狭義)と売買目的有価証券の評価益の計上はそもそも矛盾する。
そんな問題意識をもてているかを問う出題といえそうです。
なので、スジのとおった解答であることが重要だと思います。
しかし、売買目的有価証券は、時価の変動により利益を得る目的で保有する有価証券であり、投資者にとっての有用な情報は期末の時価にあるので、時価で評価される。
また、売買目的有価証券は、売却に制約がなく、時価の変動にあたる評価差額が財務活動の成果であると考えられるため評価差額が当期の損益とされる。
(関連会計基準)
・金融商品会計基準 15項
・金融商品会計基準 70項
(関連記事)
・実現とは何か(1)〜(9)
(コメント)
実現主義という切り口(大きなテーマ)で有価証券の評価という枝は、事前に想定しにくいです。
その意味で、地の力が問われる出題ではないでしょうか。
実現主義は、収益の認識(いつ)の考え方です。
収益を第三者との実際の取引(販売等)を行ったタイミングで認識する。
それが実現主義の考え方です。
第三者との客観的取引のタイミングで収益を認識すれば、客観性・確実性が保てるからです。
このような客観性・確実性を兼ね備えた収益の認識は、処分可能な利益の算定に役立ちます。
一方、有価証券の時価の変動は、具体的な誰かとの取引ではありません。
時価が上がったら評価益を計上する。
このことは、企業会計原則にいう実現主義では説明できません。
実現主義(狭義)と有価証券の時価評価は矛盾します。
解答は金融商品会計基準をベースにしています。
もっと大胆に短くていいと思います。
特に根拠等に関しては、意見書等をベースにしながらも自らの言葉でスジをはずさないで短くいえる。
普段の学習におけるそんな姿勢が実際の試験でも有効なことがわかります。
また、実現可能概念やリスクからの解放概念を用いた解答も考えられます。
実現基準(狭義)と売買目的有価証券の評価益の計上はそもそも矛盾する。
そんな問題意識をもてているかを問う出題といえそうです。
なので、スジのとおった解答であることが重要だと思います。
このブログにコメントするにはログインが必要です。
さんログアウト
この記事には許可ユーザしかコメントができません。