企業会計原則、読んでますか?

近年の財務諸表論の出題は、テーマ性のある会計基準からの出題が中心です。

しかし、その場合でも従来的な論点を絡めてくる場合が多いです。

それとは別に企業会計原則等の従来的論点の出題も考えられます。

古くなりつつあるとはいえ、企業会計原則を読むことは必要です。

しっかり、読みましょうね♪



企業会計原則の話としては、損益計算がらみが続きましたので、貸借対照表項目にも注目したいと思います。

今回は、資産の話です。

企業会計原則のもとでの資産って、実際は、とても難しいです。

まず、企業会計原則に資産って何が書いてありません。

現金と繰延資産を同じ資産だといえるのかと言われると違うといってしまいそうです。

静態論から動態論にかけての資産概念については、会計学ノートの「動態論の資産概念」をご参照ください

概念フレームワークの資産概念は、同じく会計学ノートの「利益とは何か」をご参照ください。

でも、サービス・ポテンシャルズとか、経済的資源と言われても、ピンとこないというのが正直なところではないでしょうか。

ただ、ピンとこなくても、いや、ピンとこないならなおさらやっておるべきというのが私の考えです。



で、今回は、抽象的な資産概念の話ではなく、もう少し具体的に資産をある視点から分けることについて考えてみましょう。

資産の分類です。

流動・固定分類の話です。

具体的な規定は注解16になります。

分類の基準は営業循環基準と1年基準の併用です(テキスト等で確認しておきましょう)。

このような分類がなぜ必要なのかを考えてみます。



貸借対照表の資産は、流動資産、固定資産、繰延資産と区分されています。

このような区分の背後に、流動・固定分類があります。

んっ。

繰延資産は?

繰延資産は流動資産?それとも固定資産?

あれ、なんで繰延資産は、繰延資産なんだろ?(←繰延資産だからでしょ)



流動・非流動分類に、繰延資産はそもそも不要です。

そもそも検討対象から外れているんですね。



そもそも貸借対照表項目を流動項目と固定項目に区分するのはなぜでしょうか?

ある企業は、流動資産(早く現金になる資産)がたくさんあって、流動負債(早く現金で払わないといけない負債)がちょっとしかない。

こんな企業は目先の支払に困ることはないでしょう。

でも、流動資産がちょっとしかない。

で、流動負債がたくさんある。

これでは支払がちゃんとできるかが心配です。

つまりは、流動・固定分類の基礎には、その企業が債務(借金)をきちんと払うことができるのか(支払能力・財務流動性)という視点があるのです。

1年という期間を基礎に考えている訳ですから、時間の要素も加味されているんですね。


そうだ、会計基準を読もう!!(税理士試験の財務諸表論では、「資産」という切り口も注目です。はい)



会計基準を読もう!!<目次>