企業会計原則、読んでますか?

なかなか会計基準の数が多くて大変ですが、企業会計原則も読みましょうね♪

会計基準の読み込みがちょっと進んだ後は、ある項目を企業会計原則(動態論・収益費用アプローチ)的にみるとどうなのか。

概念フレームワーク等(貸借対照表アプローチ)的にみるとどうなのか。

そんな視点を持てると広がりがでるのではないかと思います。



今回は、配分について両アプローチを軽めに視野に入れながら少し考えておきましょう。

とかいいつつ、くどめに収益、費用の認識の考え方を追ったりするだけですが。


企業会計原則は、収益費用アプローチ(動態論)をとっています。

収益−費用=純利益 です。

この純利益をきちんと算定することが大きなネライです。


純利益は、収益と費用の差額です。

収益と費用がきっちり把握できれば、純利益もきちんと算定できます。

収益と費用の認識(タイミング)と測定(いくらか)の話は、とても大事です。

柱の規定は、損益計算書原則一Aです。

損益計算書原則一Aでは、収益費用は、収支に基づいて計上しろといっています。

そのうえで、発生期間に割りふれと規定されていました。

そもそものスタートは、収支(収入と支出)です。

それを発生(価値の増減)で割当てるというのが基本的な考え方です。


ただし、収益は実現(販売等)でいきます(損益計算書原則一Aただし書、三B)。

収益は実現でいく訳ですから、それに見合う費用を計上する必要があります。

ここで重要なのが対応の考え方です。

と、全体を整理すると次のような感じでしょうか。


収益……実現

費用……(一次)発生、(二次)対応


こんな感じでしょうか。

で、配分です。

企業会計原則の規定では、貸借対照表原則五に出てきます。

貸借対照表原則五を読んでも、取得原価を配分しろといってますが、正直、ではどのように配分するのか?は、よくわかりません。

発生を価値の増減、実現を第三者との客観的な取引(販売)という具合にうまく説明できません。

どうやら資産の種類ごとに配分の考え方は違うようです。

配分が取得原価の費用配分(当期の費用と次期以降の費用との割振り)とわかったにせよ、それ以上のことはよくわかりません。

資産の種類(棚卸資産、有形固定資産等)ごとに考えなければならない訳です。



で、概念フレームワークです。

概念フレームワークでは、配分という考え方が前面にでてきません。

基本的な純利益の認識の考え方は、「リスクからの解放」一本です。

リスクからの解放は、基本的には、純利益の認識の考え方です。

リスク=不確実ですので、リスクからの解放は、ラフには、「確実」になった段階といった意味です

純利益は、収益−費用ですので、収益と費用のタイミングは、純利益と同じになります。

つまりは、収益と費用について、「リスクからの解放」という考え方一本というのが、概念フレームワークです。

そこでは、対応や配分という考え方が必ずしも前面にあらわれる感じではありません。

ある意味すっきりしています。


配分が前面に押し出されつつも、実は個別的、具体的に考える必要がある企業会計原則。

配分の考え方が引っ込んだ感じの概念フレームワーク。

「リスクからの解放」のみなんですね。


そうだ、会計基準を読もう!!(収益、費用の認識の大枠の考え方を整理した上で、各論に入るとよいです。各論から総論にもそのつど戻る。そんな感じで学習しましょう。)


会計基準を読もう!!<目次>