企業会計原則、読んでますか?

慣習の要約である企業会計原則には、「何?」があまり書いてありません。

そんな何だかよくわからない(←失礼な)企業会計原則で登場する重要概念の一つに「配分」があります。

原則の名前で言えば、「費用配分の原則」(貸借対照表原則五)です。


単に「配分」といえば、くばり、わける事でしょう。

では、いったい「何を」どうわけるのか。

ここをきちんと意識しておきましょう。

なんらかの形で、何かを分けているのであれば、それはすべて配分(費用配分)なのかというとそうではありません。

「費用配分」と呼ばれるのは次のパターンです。


過去の支出額 → 当期の費用 と 次期以降の費用(資産)


あくまでも、支出額を当期以降にわける考え方が、費用配分の原則です。

もっとも典型的なのは、

有形固定資産の取得原価 → 減価償却費 と 有形固定資産

のパターンです。


収益は原則として、実現段階で認識されます。

ので、分けるという考え方があまり出てきません。

将来の支出を過去にさかのぼって費用として認識するケースには、引当金(注解18)があります。

例えば退職給付引当金を「将来の支出(退職金)をそれ以前の期に費用(退職給付引当金繰入)として分ける」と考えれば、何らかの意味で「配分」しているには違いありません。

しかし、このケースは「費用配分」とは呼ばれません。

費用配分は、あくまでも過去の支出額の配分(典型は、取得原価の費用配分)です。

その意味では、原価配分という方が実際に近いのかもしれません。

「配分」の限定的な意味をしっかりと把握しておきましょう。


そうだ、会計基準を読もう!!(費用配分は、過去支出の当期と次期以降への配分に限定して使用されてるよ♪)



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