企業会計原則、読んでますか?

企業会計原則は、「慣習の要約」でした。

これまで行ってきたこと(慣習)をまとめ(要約)たのが企業会計原則です。

あまりきちんと「何?」が書いてあることは少ないです。

企業会計原則に書かれていない大事な「何?」の一つが「発生」です。


規定でいうと、損益計算書原則一Aになります。

費用・収益は、支出・収入に基づいて計上し、発生期間に割当てろという規定です。

この「発生」です。

会計法規集の見出しも「発生主義の原則」になっています。

でも、企業会計原則には、「発生」の意味が書いてありません。



正確な記述は、テキスト等におまかせするとして、

発生は、「増えた減った」です。

もうちょっとちゃんというと「価値の増減」です。

価値が増えたり、減ったりが「発生」です。

価値そのものもかなり微妙ですが、例えば、消しゴムでゴシゴシと字を消す。

消しゴムが減っていきます。

この場合、消しゴムの価値が減っていることは明らかでしょう。

この「消しゴムの価値が減った」→「費用を認識する」と考えるのが発生主義です。

そんな理解からのスタートでよいと思います(消しゴムの例では、使用価値の減少です)。



企業会計原則では、このような価値の増減ではない「発生」に注目して費用を認識する場合があります。

注解18(引当金)です。

こちらは、「発生」の「原因が発生」することに着目して費用(引当金繰入額)を認識しています。

つまりは、発生のタイミングで費用を認識するという場合の「発生」の意味には、次の2つがあることになります。

(1)発生(狭義)→価値の増減

(2)発生(広義)→価値の増減+「価値の増減」の原因の発生

もっとも軽く注意しておきたいのは、注解18を注意深く読むとわかりますが、企業会計原則では、「発生」という「ことば」を狭義で使っているらしい点です。

ここは慎重に読むとそうとしか読めません。

あまり深入りは微妙ですが、二つの「発生」、そして、注解18は、色々な意味で重要です。


こちらの記事もご参照ください。

損益計算諸原則一A


そうだ、会計基準を読もう!!(発生には、価値の増減とその原因の発生という意味があります)



会計基準を読もう!!<目次>