「企業会計は、企業の財政状態及び経営成績に関して、真実な報告を提供するのものでなければならない。」
企業会計原則の第一原則は、「真実性の原則」と呼ばれています。

企業会計は、企業の経済活動の記録・測定・伝達を意味します。
その伝達手段として用いられるのが、損益計算書や貸借対照表等の財務諸表です。
財政状態(資産、負債、資本の状況)を示すのが貸借対照表であり、経営成績(費用、収益の状況)を示すのが損益計算書です。
これらの財務諸表を適正に作成、開示することにより、「真実性の原則」にいう真実な報告を提供することができます。
財務諸表は、簿記的な記録を基礎に作成される訳ですから、「真実性の原則」は、簿記的な処理をも含めた会計全般に関する原則(包括原則)といえるでしょう。

「真実性の原則」は、必ずしも具体的な内容を規定している訳ではありません。
他の一般原則や損益計算書原則、貸借対照表原則に従うことによって、「真実性の原則」にいう真実な報告を行うことができます。
「真実性の原則」は、七つある一般原則の中でも一番位の高い原則(最高規範)であるといえるでしょう。

(まとめ)
「真実性の原則」は、企業の財政状態及び経営成績に関する真実な報告を要求する包括原則であり、他の会計原則を守ることにより、真実な会計報告を行うことができる。
(過去出題)
企業会計原則の「一般原則一」の真実性の原則は、会計公準と考えることが可能であるか否かについて、可否どちらかを選択し、その論拠を述べなさい。なお、解答に当たっては、強調したい用語を2つ選び出し、それぞれ下線を引きなさい(平成11年度 第二問)。