企業会計が行われるための基礎的な前提を「会計公準」といいます。
代表的な「会計公準」として、「企業実体の公準」、「会計期間の公準」、「貨幣的評価の公準」があげられます。

「会計公準」は、すでに行われている企業会計の基礎的な前提・仮定です。
「会計公準」(基礎的前提・仮定)を土台として、「会計原則」(一般的な規範=ルール)が存在し、さらに「会計手続」(具体的な手続)が位置するといわれます。
例えば、減価償却という手続を例にとると、会計期間の公準(会計公準)の元に、費用配分の原則(会計原則)が適用され、減価償却(会計手続)が行われると説明することができます。

会計公準(会計期間の公準)→会計原則・基準(費用配分の原則)→会計手続(減価償却)

もっとも、このような意味での会計公準からすべての会計理論が説明できる訳ではありません。

(まとめ)
「会計公準」とは、企業会計上の基礎的な前提をいい、「企業実体の公準」、「会計期間の公準」、「貨幣的評価の公準」がある。
(要請的公準)
単に「会計公準」といった場合は、会計の基礎的な前提としての「会計公準」を指す場合が多いようです。
このような意味での「会計公準」は、「構造的公準」とも呼ばれ、必ずしも体系的な会計理論を構築する際の仮定という意味がある訳ではありません。
すでに行われている会計が前提としているものの中から一般的なものを抽出したに過ぎないのです。

これに対して、体系的な会計理論を構築する際の仮定という意味での会計公準が語られることがあります。
このような意味での会計公準は、「要請的公準」などと呼ばれます。

(過去出題)
(1)会計公準と会計主体は、それぞれどのように定義できますか(平成11年度 第二問)。
(2)会計公準と会計主体は、それぞれなぜ必要とされるのですか(平成11年度 第二問)。
(3)会計公準について、一般に必要であるとされるものを3つ指摘し、それぞれの要点を述べなさい(平成11年度 第二問)。