一般に「会計」といえば、単なる「計算」や経理の意味をもって使用される場合が多いようです。
飲食の場で、「会計」といえば、計算(精算)を意味します。
会計係といえば、飲食代(両方とも飲み食いか)を計算(精算)する係でしょう。

このような飲食の場合に限らず、広く「会計」とは、「経済主体の経済活動を記録、測定、伝達する行為」をいいます。

財務諸表論では、このような広い意味での会計のうち企業を対象にし、その伝達を財務諸表によって行う会計、すなわち「財務会計」が学習の範囲になります。

(まとめ)
「会計」とは、「経済主体の経済活動を記録・測定・伝達する行為」である。
(企業会計)
「会計」を企業の会計、つまり、「企業会計」に限定すれば、「企業の経済活動を記録・測定・報告する行為」となります。
経済主体を企業に置き換え、伝達を報告という言葉に代えただけです。
企業とは、営利目的の組織体をいいますので、「企業会計」の主眼も利益をいかに正しく算定するかにおかれます。

(簿記との関係)
企業の経済活動の帳簿記録(・測定)が「簿記」です。
企業会計は、企業簿記をまるごと含んでいることになります。
もっとも簿記的な記録は、報告を前提に行われますし、報告は、簿記的な記録を元に行われます。
両者を切断して考えるよりも、相互に往復して考える方が、自然でしょう。
簿記論と財務諸表論の並行学習が望まれる所以でもあります。