税理士試験　簿記論　講師日記

税理士試験簿記論、財務諸表論、簿記検定の問題、学習方法等をアドバイス。

2006年08月04日21:00

カテゴリ: 出題傾向と対策

平成１８年の出題（第二問　問１）

【資料等】
（１）工事の明細
（２）決算整理事項

【解答要求】
貸借対照（３箇所）
損益計算書（４箇所）

【特徴】
建設業会計の出題でした。
工事完成基準適用物件が２つ（工事中と完成引渡済）と工事進行基準適用物件が一つという割とシンプルな出題です。
ただし、工事進行基準適用物件について損失が生じており、また、翌期以降の損失に対して、工事損失引当金を設定するというのが大きな特徴です。
損失が生ずる見込みのある物件に対して、税務上、工事進行基準は適用されないため、この適用を誤ってしまった方も少なくないのではないでしょうか。
その際の連動（前年の第１問を思い出します）については、やや釈然としない思いがあります。

【コメントの募集】
来年度以後に受験なさる方の参考にもなると思いますので、この問題に関する感想等のコメントをいただければ、幸いです。

コメント一覧 (15)

- 1. ふむふむ
- 2006年08月05日 00:34
- はじめまして　ふむふむと申します。
  
  C工事についてまさに税法の規定で計算して
  しまいまして、自動的に全滅という結果に
  なりました。
  
  一つの間違いによってほとんどの解答がズレて
  しまい、結果その設問はゼロ点というのはかな
  り厳しいです。
  今回の場合には損失引当金以外は全部ズレます。
  であれば、わざわざ解答箇所を複数にしても
  意味が無いですよね。
  実際の配点はわかりませんけど・・・
- 2. sora
- 2006年08月05日 09:07
- はじめまして。soraと申します。
  私も、税法で計算してしまいました。よって、ふむふむさんと同じくほぼ全滅ですね。どれくらいの割合の方がこの方法にしてしまったのかで、配点が変わってくるのでしょうか？
  引当金以外は、基本的な問題だったのでホントくやしいですね。
- 3. じゅん
- 2006年08月05日 14:42
- 　おつかれさまです。
  　建設業会計は、
  　①出題予想論点として挙げられていた（確か「周期的な観点から」という理由でした。同じ理由で挙げられていた本支店会計は出ませんでしたが・・・）
  　②資料「工事の明細」もそれほど複雑ではなかった
  　以上から、比較的順調に解き進められました。Ａ、Ｂ、Ｃの各工事ごとに完成工事高、完成工事原価、未成工事支出金、未成工事右傾礼金、完成工事未収入金を計算し、集計して解答記入しました。
  　税務上の処理、知りませんでした。だから、逆に悩まずにすんだのかもしれません。
  （次へ続く）
- 4. じゅん
- 2006年08月05日 14:50
- （上から続く）
  　工事損失引当金は、「松本試験委員は引当金会計に関心がある」というようなことを呼んだような気がしたので、「こういう形で出してきたか」と思いましたが、工事損失引当金の算出方法がすぐにはわかりませんでした。とりあえず、請負価額270,000から再計算後の工事原価見積額280,000を引いて、△10,000となったので、引当金＝引当金繰入額を10,000として、営業利益を計算したら、△2,600で営業「損失」になってしまうので、「？？？」と思いました。そこで、「工事損失引当金繰入額は『特別損失』と判断し、繰入額を除いた差額計算で7,400を営業利益としました。
  （次へ続く）
- 5. じゅん
- 2006年08月05日 14:57
- （上から続く）
  　答え合わせの結果は以下の通りでした。
  　⑤工事損失引当金繰入額は、「『将来の』損失見積額を繰り入れた工事損失引当金を設定する」という問題指示（ＴＡＣ解答解説会での解説によると、『将来の』がキーポイントだそうです。）に反したため不正解
  　⑥営業利益は、自分の場合は特殊かもしれませんが、工事損失引当金繰入額を特別損失と判断して計算対象外にしていたので不正解（⑤を間違ったので、仮に計算対象にしていても不正解でしたが）
  （次へ続く）
- 6. じゅん
- 2006年08月05日 15:06
- （上から続く）
  　自分の場合、工事損失引当金繰入額以外は自信があったので、工事損失引当金繰入額が特別損失なら、営業利益も正解と淡い期待を抱いていました。ゼネコン等の有価証券報告書を調べたら、工事損失引当金繰入額を特別損失として計上している例しか見当たりませんでした。また、試験委員もこれを「特別損失」と判断できたのかを見ようとして、⑥を「当期純利益」でなく「営業利益」としたのかなと思ったりもしました。
  　しかし、よく考えてみると、
  　①収益と費用の対応（？）
  　②何よりも、解答要求は「損益計算書（一部）なので、営業利益の上にあるからには、営業費用以外の何ものでもない
  ということに、思い至りました。決算整理後Ｔ／Ｂならば、特別損失もありえたかのでしょうか？
  （次へ続く）
- 7. じゅん
- 2006年08月05日 15:11
- （上から続く）
  　ＴＡＣと大原の解答解説会でも、第二問　問１については、工事損失引当金繰入額、営業利益以外は確実に取ってほしいということでした。
  　ＴＡＣでは、「工事損失引当金の処理ができて、第二問の問１で14点とれたら（７箇所すべて正解）、（問２との絡みで）合格に限りなく近づく」とも言っていました。
  　以上、長くなりましたが、第二問　問１についての感想（ほか）でした。
  （終わり）
- 8. じゅん
- 2006年08月05日 15:30
- 　たびたびすみません。
  　読み返していたら、変換ミスがありました。
  
  3.の8行目
  　未成工事右傾礼金（何のこっちゃ）⇒未成工事受入金
  4.の2行目
  　呼んだ⇒読んだ
  　
  　失礼いたしました。
- 9. きん
- 2006年08月05日 22:12
- 多分世間様とはずれるのでしょうが、個人的には
  第二問が一番やさしかったです。
  
  税法の取り扱いは、当方もなんとなく聞きかじって
  いましたが、まあそこまではすまい、と思って
  さすがにその適用は止めました。
  色々勉強して知識があると、逆にその分辛くなる
  例ですよね。
  
  本問は、基本的に簡単だと思いますが、１万の
  損失を計算して、すぐにそれを工事損失引当金の
  括弧の中に書いてしまったのが間違いで、すると
  ５と６が連動して誤りになっちゃうんですよね。
  ６がマイナスになって変だと思ったのですが、
  よく考えると損失の大部分は当期に計上しちゃう
  のですから、これを補正しないと当期の損失が
  過大になるのはあたりまえ。
  もうちょっと考えるべきでした。
  
  というわけで、本問は５／７ぐらいかなと思って
  います。
- 10. 講師
- 2006年08月05日 22:51
- ふむふむさん、はじめまして。
  よろしくお願いいたします。
  
  さわりに近い部分で他への連動については、ホントに厳しいですね。
  もしかすると進行基準を適用しない解答自体を想定していなかったのかもしれません。
  その分、採点になんらかの配慮があるとよいのですが………。
  
  ただ、配慮がされるのかどうか、されたとしてもすべて試験委員一任ということでしょうから、どのような形で採点に反映されるかは、残念ながらわかりませんが。
- 11. 講師
- 2006年08月05日 23:01
- soraさん、はじめまして。
  よろしくお願いいたします。
  
  一般的な採点は、はじめに採点基準を決めて、ある程度の数の採点後、６０％以上の得点になるように採点基準を変更後、すべてを採点という形をとるのではないかと思います。
  
  その場合に、解答に出題者の意図と異なるある特定の傾向がある場合に、それを採点にどうはねかえらせるかは、試験委員次第ということになると思います。
  
  解答箇所が多ければ、そこを採点しないなどという荒業も考えられるんでしょうが、個別で２問しか出てないですんで、その点、ボリュームが少ない事がよいとはいえないこともあるとは感じています。
  
  試験委員の先生が何かよい配慮をしていただけるとよいのですが。
- 12. 講師
- 2006年08月05日 23:34
- じゅんさんへ
  
  解答としては、充分じゃないですか。
  さすがです。
  
  問１に対する要求が高いのは、問２のできが案外と悪いからかもしれないですね。
  
  「将来の」がポイントですか。
  第二問の特徴として、問題にきちんとヒントが書いてあるということはあるかもしれません。
  
  これは、問２にも共通することで、来年以降の攻略のヒントが隠させているような気がします。
  
  引当金関連は、実は強いつもりだったんですが、工事損失引当金については、いまいち（もっとか）理解が足りていません。
  ちょっと本格的に調べてから、できれば記事にしたいと思っています。
  
  有益な情報をありがとうございます！！
- 13. 講師
- 2006年08月05日 23:47
- きんさんへ
  
  えーっと、ずれてるということで間違いないかと思います（笑）。
  
  問題自体がものすごく難しいという訳ではありませんが、いろいろと考えさせられることはある問題といってよいかもしれません。
  
  ただ、試験中に考えてると時間くいますんで、微妙です。
  ５／７は、もちろんオッケーラインです。
  はい。
- 14. じゅん
- 2006年08月07日 22:19
- 　おつかれさまです。
  　よく、「問題用紙、解答用紙にヒントがあるので、よく読むように」といわれるのですが、今回の第二問（問１、問２とも）は、まさにその通りなのではと思います。もちろん、結果論であって、実際の試験時間中は冷静ではないので、そこまでは思い至りませんでしたが・・・
  　「将来の」に注意して、問題の指示通りに思考すれば、引当金繰入額は比較的容易に導き出せたのかなという気がします。
- 15. 講師
- 2006年08月07日 23:26
- そうですね。
  第二問の出題は、問２に下線まで引いてあって注意を促したりして、問題の指示どおりにやってくれればいいんだよといっているという気もします。
  
  でも、試験場には魔物がいますんで、なかなかではあるかなあとも思っています。
  はい。