外形標準課税

事業税の種類とその取扱いをまとめると次のとおりです（結局、所得割との違いは、借方科目だけになります）。

（１）所得割
１．勘定科目………法人税等
２．未払計上………未払法人税等
３．税効果会計……適用あり

（２）外形標準課税（資本割・付加価値割）
１．勘定科目………租税公課（販売費及び一般管理費）
２．未払計上………未払法人税等
３．税効果会計……適用あり

事業税には、所得割、資本割、付加価値割があります。

所得割は、「所得」に対するものです。

資本割、付加価値割は、「資本」、「付加価値」といった法人の事業規模をあらわす指標に対するもので、両者を外形標準課税といいます。

外形標準課税部分（資本割・付加価値割）は、法人税等ではなく、租税公課（販売費及び一般管理費）として処理されます。

もっとも未払計上には、法人税その他と区別する実益はありませんので、「未払法人税等」として処理します。


外形標準課税は、そもそも所得に対する租税ではありませんので、税効果の法定実効税率算定の際には、考慮されません。

未払計上された期の費用にはなりますが、その期の損金にはなりません。

将来減算一時差異に該当しますので、税効果会計の適用は、ある点に注意しましょう。

Comments

[1. 100の質問配布]

はじめまして、の管理人の松井健一と申します。
このたびは、相互リンクのご希望をお願いするためにメールさせていただきました。
リンク確認は
http://100situmon.seesaa.net/
より確認できます。トップページにリンクをはらせてもらっています。

サイト名
100の質問配布


サイトアドレス
http://100situmon.seesaa.net/


メール　　
[e-mail]

[2. ペンは剣より強し]

先生おはようございます
ぺんは剣より強しです

事業税の外形基準に関する質問です。

事業税の外形標準分は、租税公課A・Cを使うのでP/L　販管費に表示されますが、これが奇異に感じます。

事業税の外形標準分は、地方税ですよね。
税金であるという観点から見ると国税である
法人税等となんら変わりがなく、地方自治体の行政サービスに対する代価というだけで
費用に計上出来るという点がイマイチ納得できません。

指導よろしくお願い致します。

[3. 講師]

ペンは剣より強しさん、こんばんは。

一番大きいのは、利益に対して比例的かどうかという点だと思います。
利益に対してかかる税金だとすれば、利益を獲得するための犠牲ではなく、それは費用ではないのではないかという考えも出てきそうです。
かつては、法人税等は、費用ではなく、利益処分ではないかという意見もありました。
もっとも現行の制度上は、利益に対してかかる税（法人税等）も費用と考えています。
ただ、利益に応じてかかるという特徴に配慮して、他の費用項目とは別個の表示が行われています。

事業税の外形標準課税は、利益に応じてかかるものではありません。
企業が活動していく上で必要なものには違いないでしょうから費用としての性格を持っていることは間違いありません。
しかし、利益に応じて（比例的に）課されるものではありませんので、法人税等とは異なる表示となっている感じではないかと思います。

[4. ペンは剣より強し]

先生こんばんわ
分かりました
冷静に考えてみれば先生のおっしゃるとおりです。
納得です。
ありがとうございます　。