勘定科目は、財務諸表の表示科目とは違って企業に自由があります。
極端な話を言えば、何でもいいんです(ちと、極端ですが)。
簿記論を学習する上ではこのことを認識しておく必要があります。

現金についていえば、これを「金銭」などという「勘定科目」で処理してはいけない訳ではありません。
ただ、みんなが「現金」という呼び名を使っているのに、これと異なる勘定科目を使うことは、とても不便です。

例えば、伝票に勘定科目のゴム印を押そうと思っても売っているのは、現金です(ありゃ、現金は押さないか)。
また、パソコンの標準的な最初の勘定科目も現金です。
ゴム印もそれ用の物をつくり、パソコンの科目も直すとのであれば、問題はないですが、とても不経済で、手間もかかります。
なぜ「現金」という勘定科目を使うのか?といえば、「みんなが使っているから」でしょう。
それが、とても一般化しているからです。

では、すべての勘定科目の使い方が一般化しているかというとそうではありません。
この点を多少なりとも意識しておく必要があるでしょう。

複数の企業の経理処理を実際に見たことのある方は問題ないと思います。
特に費用科目などは、結構、まちまちです。
実務経験がなく、また、特に独学で学習を進めている方は、勘定科目は、一つではないことは気にとめておかれた方がよいのではないかと思います。


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