原価で評価で、換算が行われるのは、「満期保有目的の債券」です。
基本的には、外貨建有価証券で「為替差損益」が出てくるのは、この満期保有目的の債券のみです。
満期保有目的の債券は、貨幣項目ですから、通常の貨幣・非貨幣法の考え方をとっても、期末の為替相場で換算されることになります。

有価証券の評価上の区分ごとに評価指標と換算指標を並べてみましょう。

売買………時価・期末
満期………原価・期末
子会社……原価・取得時
その他……時価・期末

評価時点(期末)で考えれば、原価と取得時は、「過去」を、時価と期末は、「現在」を意味しています。

原価・取得時→「過去」
時価・期末 →「現在」

このタイミングがずれているのが、満期保有目的の債券です。
ずれているから為替差損益が登場します。

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