本年の簿記論の試験委員である小野先生のご専門は、外貨と連結といってよいようです。
連結は、税理士試験簿記論では、未出題です。
全く学習しないという訳にもいかないでしょうが、すごく力を入れるという感じにもならないと思います。
でも、外貨は、しっかりとやっておいた方がよいでしょう。
外貨は、試験委員対策としてでなく、もちろん基本項目としても重要です。
その外貨のスタートといってよいのが、換算レートの選択です。

外貨建項目の換算レートの選択には、貨幣・非貨幣法という考え方がとられています

貨幣項目は、現金に置き換わる項目です。
例えば、

(借)仕  入××× (貸)買 掛 金×××

(借)買 掛 金××× (貸)現  金×××


買掛金の位置(貸方)が、現金(貨幣)に置き換わっていますので、買掛金は、貨幣項目です。

前受金は、どうでしょうか。

(借)現  金××× (貸)前 受 金×××

(借)前 受 金××× (貸)売  上×××


前受金は、現金に置き換わっていませんので、非貨幣項目です。

できるだけ、個々の資産・負債の換算レートをおさえるのではなく、共通的な考え方でおさえられるものは、それでいって、ダメなものは、また別に考える感じがよいのではないでしょうか。

それぞれの換算レートは、次のようになります。

貨幣項目  → 期末レート
非貨幣項目 → 取得時レート


(関連記事)
貨幣・非貨幣法