企業会計上とてもわかりにくいのではないか?と思える概念の一つに「資本」があります。
資産と負債の差額が資本だといってしまえばそれまでなのかもしれません。
しかし、そもそも「差額です」と言われて、「はい、そうですか」とはなかなか言いにくいように思えます。
ただの差額なのですから。

わかりにくさの原因の一つは、資本そのものが極めて抽象的なことにあると思います。
資本といっても別に目に見える訳ではありません。
資産の多くは、現実に目に見えるものです。
目に見えないでも例えば貸付金などは、普段の生活等の延長で考えやすいとでしょう。
負債も資産ほどではないにせよ想定しやすいように思います。
しかし、資本は、目に見えず、また、私達の生活等から思い浮かべるも難しいです。

そして、きわめて多義的に資本という語が用いられることにも資本概念をみえにくくしている原因があるように思います。
特に、商法上の資本概念が、いわば別枠で存在していることがこれに輪をかけているといってよいでしょう。
そしてこの商法(会社法)上の資本に対する考え方は大きく変りつつあるようです。

資本とは何かというおおげさなタイトルをつけました。
しかし、私の力量では、企業会計上の資本とは何かについて、きちっとした答えを出すことはできそうにありません。
しかし、「資本とは何か」を考えることできっと何かの役に立つのではないかと思います(って、何かって何だ?)。

例によって多少(?)長丁場になると思いますが、お付き合いの程、よろしくお願いいたします。

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