打歩発行

社債の発行形態には、次の三つがあります。

（１）平価発行（額面金額＝発行価額）
（２）割引発行（額面金額＞発行価額）
（３）打歩発行（額面金額＜発行価額）

一般的な社債の発行形態としては、割引発行が多く、そのためか、出題としても割引発行が多くなっています。
私自身が、社債の取引を実際に行う訳ではありませんので、聞いた話ですが、一部の新株予約件付社債では、社債部分が、打歩発行になっているものもあるそうです。
その点を考えると打歩発行も軽めにでもマークしておくべきかもしれません。

打歩発行時の特徴的な点は、償却原価法の適用の仕訳が通常と逆になる点でしょうか。

（割引発行時）
発行：現金預金　９０　社　　債　９０
償却：社債利息　　２　社　　債　　２

（打歩発行時）
発行：現金預金１１０　社　　債１１０
償却：社　　債　　２　社債利息　　２

打歩発行時の償却の仕訳については、貸方に社債利息が生じますが、これは実際に支払う社債利息からの控除を想定しているからです。
実際に決算において社債利息が貸方に残ることはありません。
　

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Comments

[1. ０８１５]

おたずねします
打ち部発行の社債についてです
毎期の利息から　社債の原価償却の値を控除して表示するのでしょうか
例がなくてすみません
教えてください

[2. 暮木孝司]

そうですね。

社債利息支払時は、

（借）社債利息　（貸）現金預金

ということですので、この支払額と償却額の差額が社債利息ということになると思います。

[3. 前期高齢者]

こんばんは。
転換社債型新株予約権付社債についてお尋ねします。

この社債の発行側の処理は、一括法・区分法の選択適用になっていますが、区分法の新株予約権の金額が問題にない場合、どう処理したらよいのでしょうか？ただし、社債の発行価額と払込金額は書いてあります。

具体的には日商簿記１級１１０回商業簿記の問題です。

この社債は割引発行なのですが、発行価額と払込価額の差額を新株予約権としてよいのでしょうか？

[4. 暮木孝司]

前期高齢者さん、こんばんは。

そうですね。
払込金額＝全体の発行価額ですので、払込金額から新株予約権部分の発行価額を控除した金額が社債部分の発行価額ということでよいと思います。
社債部分の発行価額と額面の違いについて、償却原価法を適用するということになるのではないかと思います。