資本連結

【資本連結の意味】
資本連結とは、「親会社の投資」（子会社株式等）と「子会社の資本」（資本金等）の相殺消去手続を意味します。
親会社から子会社への投資は連結ベースでみると、単なる企業グループ内での資金移動に過ぎません。
そこで、親会社の投資と子会社の資本を相殺するという連結修正仕訳（資本連結）を行う必要があります。

（親会社の仕訳）子会社株式１００　現　　　金１００

（子会社の仕訳）現　　　金１００　資　本　金１００

（連結修正仕訳）資　本　金１００　子会社株式１００


【取得日連結】
ある会社が他の会社の議決権の過半数を取得するなどして、その会社を「子会社として支配をはじめた日」が「支配獲得日」です。
この支配獲得日には連結貸借対照表が作成されます。

連結貸借対照表作成までの一連の手続きは、次のとおりです。

（１）子会社の貸借対照表の時価評価
（２）親会社と評価替後の子会社の個別貸借対照表の合算
（３）資本連結（親会社の投資勘定と子会社の資本勘定の相殺）
（４）債権債務の相殺消去
（５）連結貸借対照表の作成


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Comments

[1. ペンは剣より強し]

先生こんばんわ。

取得日連結の（１）子会社のBSの時価評価についての質問です。

時価評価するなぜでしょうか？

というのも、企業連結の「取得」「持分の結合」と連結会計の「取得日連結」の関連を意識しないといけないのかなぁと・・・。

つなげて理解しないと、暗記だけになってしまいそうです。

指導よろしくお願いいたします。

[2. 講師]

ペンは剣より強しさん、こんばんは。

企業結合の際の考え方とリンクするのかはちょっとよくわかりませんが、取得と持分の結合でいうとはじめて支配関係が成立したケースをいうので、取得の考え方に近い面はあるかもしれませんね。

子会社の資産・負債を時価評価しないととくにのれんの金額をきちんと把握することができません。

たとえば、資産：簿価２００　時価３００の企業の株式を１００％で取得した場合、株価はこれとは別個に成立しています。
仮にその株価が３５０円だとしましょう。
理論的には、その株価は、企業の保有する資産の時価３００とのれん価値５０の合計のハズです。

（取得）子会社株式３５０　現金３５０

（評価）土地１００　評価差額１００

（連結）資本金２００　子会社株式３５０
　　　　評価差額１００
　　　　のれん　５０

上記の例からもわかるように結局、評価差額は消えてしまいます。
しかし、大事なのは「のれん５０」を認識できることです。
子会社の資産負債を時価で把握しない限り、こののれん５０を認識することはできなくなります。

[3. ペンは剣より強し]

先生おはようございます
わかりました
ありがとうございます

「企業結合の際の考え方とリンク」していたのは、”連結財務諸表”の根本がイマイチよく分かっていなかったからです。

”連結財務諸表”を作成するのは、複数の会社が親子関係にあるときに作成するのですよね？

親子関係になる前には、必ず”企業連結”があるはずだと思っています。
そして、”企業連結”の「持分の結合」ではなく「取得」の場合でないとその後の”連結会計”につながらないですよね？
「取得」でないと支配関係つまり親子関係にならないはずと思っています。

この考え方で問題ないでしょうか？

指導よろしくお願いいたします。

[4. 講師]

ペンは剣より強しさん、こんにちは。

合併は（吸収合併を前提にすれば）企業（親）の行った行為です。
この行為の会計処理が問題になります。

連結は、あくまでも財務報告です。
連結の範囲を決めるときに、親子かどうかが問題になります。
で、その財務報告を行ううえで、投資と資本の相殺消去（資本連結）が必要です。
その資本連結の際にのれんを認識する関係からも親子になった段階（支配段階）での子会社の時価評価が必要になる。

うーん、なかなか難しいですね。
連結の場合には、最初のとこだけ支配を考えて、あとは連結していく訳ですから、単純な簿価合算に近いです。

[5. ペンは剣より強し]

先生こんにちわ
了解いたしました
連結を現在勉強中です
専門学校のテキストは量が多くて難儀していますが、何をすべきかを見通せた気がします。
ありがとうございます。

[6. 講師]

ペンは剣より強しさん、こんにちは。

連結はなかなかしんどいですね。
連結はあくまでも財務諸表をくっつけることを意識した方がよいかもしれません。
連結仕訳もすべて、ただ財務諸表を合算したんではまずいんで、その合算をうまく行うための「仮に行う仕訳」に過ぎません。
実際に帳簿上に記載等する訳ではないんですね。
だから、資本連結の仕訳は財務諸表の合算にあたってずーっと行います。

合併の場合には、財務諸表をくっつける感じではなく、貸借対照表項目を実際の仕訳できって、それを帳簿にも反映させる感じです。
連結はなかなか骨があると思いますが、慣れると大丈夫らしいです（←「らしい」って）。

[7. ペンは剣より強し]

先生こんばんわ
分かりました
もう少し我慢して勉強をすすめてみます
ありがとうございます

[8. ペンは剣より強し]

先生こんにちわ
支配獲得日の連結修正仕訳で疑問があります。
以下が専門学校のテキストより抜粋です

資本金　　　３，０００｜子会社株式２，６００
利益剰余金１，０００｜少数株主分１，６００
のれん　　　　　２００｜

貸方の子会社株式は、親会社が子会社の６０％の株式を２，６００で取得してます。
資本金・利益剰余金は、子会社のBSより抜粋したもの。
のれんは、貸借差額です。
簡便のため、子会社の資産・負債は、時価と帳簿価額が等しいとして下さい。

疑問なのは、少数株主分の求め方です。
テキストでは、（３，０００＋１，０００）×４０％＝１，６００という算式を使っています。この算式が解せません。

親会社は２，６００という金額を支払って子会社株式を買っているので、
少数株主も購入時の時価で買っているはずですよね。ということは、各少数株主に「いくらで購入しましたか？」とアンケートを取らないと本当の金額が分からないのでは・・・？
なぜ、上の算式で勝手に少数株主分の取得価額が分かるのでしょうか？

指導よろしくお願いいたします。

[9. 講師]

ペンは剣より強しさん、こんにちは。

すごいとこに食いつきましたね。
大変、結構だと思います。
ここは、理論も抱き合わせで少し考えておくと後で役に立つかもしれないですね。
ざっくりとは、我国の連結が親会社説をとっているからでしょうか。

連結の基本的な考え方（誰の立場で連結を行うか）には、親会社説と経済的単一体説があります。
親会社説はあくまでも親の立場で、経済的単一体説では、企業集団の立場で会計処理を行います。

いずれの考え方をとっても資産等の合算額は全額です。
親会社の持分相当額のみを合算する考え方（比例連結）もないではありませんが、トータルいくらの資産や負債を持っているのかを示した方が、いずれの考え方をとるにせよ有益といったあたりでしょうか。

[10. 講師]

我国では基本的には、親会社説をとっています。
親会社の立場で会計処理を行う訳ですから少数株主持分はいわば付録に近いと考えるとどうでしょうか。

本当は、
親会社説→部分時価評価法
経済的単一体説→全面時価評価法
と考えるとすっきりします。
でも、改訂連結基準では、親会社説をとりながら、全面時価評価法のみしか採用できません（この辺はある考え方で処理がすべてきれいに説明できる訳ではないようです）。

支配獲得日に少数株主持分をなんらかの意味で「時価相当額×少数株主持分」以外の金額で計算してしまえば、その少数株主に係る投資消去差額は「のれん」に相当することになります。

しかし、現状の連結基準の考え方は、全面時価評価法はとるものの親会社説をとっており、少数株主に帰属すべきのれんを計上する訳にはいきません。
これは基本的には、我国での「のれん」が有償取得を前提としており、少数株主に対応するのれんは、有償で取得したとはいえないためです。

いや、なんかわかりにくかったかもしれません。
国際的には、経済的単一体説に流れる可能性が強くなっているようで、私もなんだかわかりませんが、財表の理論では関係するところではないかと思います。

[11. ちん]

先生こんにちわ
連結会計について
質問よろしいですか？

子会社支配獲得日
・連結貸借対照表
連結１年度目以降の決算日
・連結貸借対照表
・連結損益計算書
・連結剰余金計算書

質問１
なぜ、子会社支配獲得日には
連結損益計算書や連結剰余金計算書が
作成されないのですか？

質問２
なぜ、子会社支配獲得日に
連結貸借対照表を作成するのですか？
（子会社支配獲得した年の決算時に作成すると、何かデメリットがあるのですか？）

先生よろしくご指導お願い致します

[12. ちん]

先生
上記の記事について質問ですが、

[資本連結の意味]・・・
（親会社の仕訳）
子会社株式１００／現金１００
（子会社の仕訳）
現金１００／資本金１００
（連結修正仕訳）
資本金１００／子会社株式１００
という仕訳があったのですが、

質問３
（連結修正仕訳）の中で
「現金１００」が見当たらないのですが・・

（連結修正仕訳）
資本金１００／現金１００
現金１００／子会社株式１００
・・という内訳でよろしいですか？

[13. ちん]

質問４
連結修正仕訳について質問ですが、

連結修正仕訳＝「仮に行う仕訳」で・・
連結精算表上では記録されるのですか？

先生よろしくお願い致します

[14. ちん]

先生こんばんわ
夜分遅くに申し訳ないです

質問５
支配獲得日の連結貸借対照表作成時
連結修正仕訳での部分時価評価法（段階法）
評価替「評価差額」について質問なのですが、

支配獲得日における連結修正仕訳での「評価差額」は、なぜ各年度で発生した累計（合計）になるのですか？（なぜ、支配できていない年度に発生した「評価差額」を、支配獲得年度で発生した「評価差額」に含め、連結修正仕訳での「評価差額（合計）」にするのですか？支配獲得した年度で発生した「評価差額」分のみでよいと思ったのですが。。）

タイムテーブルでいうと

例）02年末に支配獲得
　　　　　　　　　01年末　　　　　02年末　
取得割合　　　　30％　　　　　　40％
―――――――――――――――――――
取得原価　　　
資本金　　　　
利益剰余金
合計　　　　
評価差額　　　　60☆　　　　　　120☆　　
のれん

連結修正仕訳の答えには
60☆＋120☆＝評価差額180とあるのですが、
評価差額120☆だけでよいのでは？

連結病になってしまいました

[15. 講師]

ちんさん、こんにちは。

はじめに、記事の連結剰余金計算書→連結株主資本等変動計算書に変っています（古いですね。すいません）。

質問１
支配獲得日には、まだ連結した後の動きがありませんので、損益や株主資本等の動きもありません。
ですので損益計算書や株主資本等変動計算書を作る意味はありません。
これは会社の設立時に個別でも設立時の貸借対照表しかつくらないのと同じですね。

質問２
支配獲得日に貸借対照表をつくって、その後の決算時にも貸借対照表はつくります。
その後は、損益計算書と株主資本等変動計算書もつくります。

[16. 講師]

質問３
連結ではどっちがどれだけ資産等をもっているかは関係ありませんので、借方と貸方で同額の資産等の仕訳は必要がないですね（あっても結果が同じですので）。

質問４
連結精算上では処理します。
というか連結精算表だけでやってしまうイメージにちかいです。

質問５
資産等を時価で評価しなおすのは、評価差額をだしたいからというよりも、のれんの金額を出したいからという面が大きいです。
のれんは、「個々の資産等の時価」を超えて企業が支払った対価部分です。
市場価格（時価）を超えでも買いたい部分がのれんで、この金額を算出するためには、買ったときの「資産等の時価」と「取得対価」が必要になる感じだと思います。

[17. ちん]

質問１は、会社設立日って貸借対照表しかつくらなかったんですね
質問４は、連結精算表だけでやってしまうイメージなんですね。了解しました
質問５は、支配獲得前の資産負債評価差額＋支配獲得日の資産負債評価差額＝決算修正仕訳での評価差額？まだちょっと難しいので考えてみます☆
先生ありがとうございます

[18. ちん]

先生、上記の質問５は無事に解決できましたタイムテーブルの理解ミス（勘違い）でした。すいません

[19. しゃち]

こんにちは。
いつもありがとうございます。
いよいよ本試験も間近となり、毎日必死です。頑張ります。

一つ、気になって夜も眠れないことがあります。
連結の子会社の資産負債の時価評価についてです。

実際のところ、負債は時価評価するのでしょうか？
金融商品の基準には、負債は債務額をもってBS価額とし、時価評価の対象とはしない。
という規定があります。

具体的に負債のうち何を時価評価するのかが疑問です。
デリバティブかな？とも思ったのですが、
子会社が個別でFSを作成した際に時価評価しているはずです。
既に時価評価したデリバティブが計上されている子会社のBSと、親会社のBSを合算するので、
ここでいう負債の時価評価とは、デリバティブのことを指しているのではない。と考えたのですが、、、

どう思われますか？

本試験前のお忙しい時期に、このような質問で申し訳ありません。
お時間がある時で構いませんので、協力して頂けたら幸いです。

感謝★

[20. 暮木孝]

しゃちさん、こんばんは。

連結のときに資産負債を時価評価するのは、のれんを出したいからではないかと思います。
支配獲得日の投資と資本の相殺消去差額がのれんです。
自分の出したお金（投資）と子会社の資産負債の時価（資本）の差がのれんです。
子会社の資産負債の時価をこえて出したお金をのれんとして把握するために、資産負債を時価評価するということであれば、それは資産、負債の別なく、時価ということになるかと思います。
現実には市場がなくて、かつ、時価との違いもあまりないので、そのまま簿価でいくケースも多いかもしれませんが、基本的な考え方はすべて時価ということではないかと思います。

いよいよあと３週間まで迫ってきましたね。
これからが勝負です（ええ、これホントです）。
暑さにまけず、これからの学習、そして本試験でのご健闘、お祈りしております。

[21. ぽんぽこ]

お忙しい中失礼致します。
連結会計についてよく分からないところがあります。
連結第2年度における修正仕訳の利益剰余金期首残高の求め方が、[支配獲得日の剰余金+前期のれん償却額+剰余金の少数株主持分]となる理由がよく分からないのですが、どのように考えれば良いのでしょうか？
宜しくお願い致します。

[22. 暮木孝司]

ぽんぽこさん、こんばんは。

連結では２年度目にも改めて個別財務諸表を合算する感じです。
ですので連結上の処理は、２年度目以後も改めて行う必要があります。

のれん償却額／のれん
少数株主損益／少数株主持分

その場合、資産や負債については、そのままでいいのですが、のれんの償却額や少数株主損益なんかは翌期に持ち越しません。
その分、利益剰余金が減っているハズですので利益剰余金期首残高にする必要がありますね。
上記の仕訳の借方部分を足している感じです。

[23. ぽんぽこ]

お忙しい中素早いご返事ありがとうございます。
分かったような気がしました！笑
これから連結の問題をたくさん解いて理解を深めていきたいと思います。

どうもありがとうございました！

[24. 暮木孝司]

どういたしまして。

少し意味を考えつつ、問題をたくさん解かれるといいかもしれないです。
頑張って下さいね♪