【連結財務諸表の意義】
連結財務諸表は、企業集団の財政状態及び経営成績を報告するために親会社が作成する財務諸表です。
本支店会計では、法的に一つの会計単位を複数に分割します。
これに対して、連結財務諸表では、法的には、複数の会計単位を一つの会計単位と考えて財務諸表を作成します。

連結財務諸表の対象となる企業集団は、親会社からみた子会社を含む企業集団です。
ここに親会社とは、他の会社を支配している会社(支配会社)をいい、他の会社に支配されている会社(被支配会社)を子会社といいます。
親会社と子会社の財務諸表を合算したものが連結財務諸表といえます。


【連結財務諸表の必要性】
連結財務諸表は、企業集団の実態をあらわすために作成されます。
今、簡単な例で、連結財務諸表の必要性を考えてみましょう。

例)親会社が子会社に土地(原価100万)を500万で売却。

(この取引前)
親会社の利益 △400万円
子会社の利益     0円

(親会社の処理)
現   金500万 土   地100万
          土地売却益400万

(子会社の処理)
土   地500万 現   金500万

(この取引後)
親会社の利益  100万 ← 赤字から黒字へ
子会社の利益     0

上記の例では、親会社と子会社が一つの集団を形成しており、単に、親会社から子会社に土地が移動したに過ぎません。
これをこのような形で損益に反映するのはおかしいでしょう。
これを元の状態に戻すには、次の処理を行います。

(修正の処理)
土地売却益400万 土   地400万


税理士試験 簿記論 講師日記 全テキスト記事一覧