本支店や本社工場と一口にいってもその役割分担のあり方は様々です。
ただ、出題されやすい典型的な役割分担を知っておくと問題にも取組みやすいと思います。
本支店と本社工場の典型的な役割りの分担を考えてみましょう。

(1)本支店会計(本店が仕入、支店が販売)
外部(仕入先) → 本店 → 支店 →外部(消費者)

本支店会計でよくある出題は、本店で商品を仕入れ、支店に一定の利益を付加して送付するというタイプです。
現実にも本店が仕入を一括して行うことは、多いでしょう。
仕入を一括して行うことで仕入先との価格交渉もスムーズにいきます。
つまりは、安く仕入れることが可能になるのです。
また、何が売れているのかの情報を集約し、これに見合う仕入を行う事も可能になります。仕入は、一括して行う事にメリットが大きいのです。

これに対して販売拠点は分散させるのが一般的です。
販売拠点を絞って「買いに来い」というような販売姿勢では、なかなか商品も思うようには売れないでしょう。
簿記論での出題もこのような一般的な本支店の役割分担を想定しているといってよいでしょう。つまり、本店が仕入を担当し、支店が販売を担当するという形態です。
もっとも販売拠点は多いほどよいという側面はありますので、本店でも販売を担当する方が自然なのかもしれません。


(2)本社工場会計(本社が仕入と販売、工場が製造)
外部 → 本社(材料) → 工場(材料・仕掛品・製品) → 本社(製品) → 外部(消費者)

本支店会計と本社工場会計との大きな違いは、内部活動(製造活動)の記録の有無にあります。
本社工場会計での本社と工場の役割分担としては、本社が外部活動(仕入・販売活動)を担当し、工場が内部活動(製造活動)を担当するという場合が多いようです。
製造活動には、外部活動とは異なる目標(よい製品をより安く製造する)がありますので、これを工場が内部活動のみを担当するのは、極めて自然です。
実際の出題でも、本社が材料を購入し、一定の内部利益を付加してこれを工場に送付する。工場では製品を製造し、完成した製品に利益を付加して本社へ送付するという形態です。
本社では、工場から送付された製品の販売を担当します。

このような典型的な役割分担をとりあえずは想定したうえで、基本的な仕組みを理解し、実際の問題では、簡単な図を書く等して、その役割分担をしっかりと意識したいところです。