本支店間取引の処理については、はじめのうちは、現金や商品の動きに注目して、その相手勘定に本店又は支店勘定を使用するという感じでいいと思います。
慣れてきたら、期中における本支店勘定が債権債務(要は貸し借り)を意味するものだということも意識するとよいでしょう。
ただ、一般的な債権債務との大きな違いは、実際には、本店・支店は一体で、一つの会計単位なので、別に返済をしたり、されたりする必要はない点にあります。
本当の意味での貸し借りではないのです。

この点が顕著にあらわれるのが、直接仕入・直接売上でしょう。
直接仕入とは、例えば、支店が本店の仕入先から直接商品を仕入れるケースをいいます。
支店が外部から仕入を行った場合は、通常、次の仕訳を行います。

(借)仕  入××× (貸)買 掛 金×××

支店が本店の仕入先から直接商品を仕入れた場合は、次の処理を行います。
いったん本店が仕入先から仕入れ、これを支店が仕入れた処理を行うのです。

支店:(借)本店仕入××× (貸)本  店×××

本店:(借)仕  入××× (貸)買 掛 金×××
      支  店×××    支店へ売上×××


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