本社工場会計における決算手続の流れは、本支店会計と異なりませんが、一連の流れを示しておきましょう。

(1)未達事項の整理
決算の段階で未達取引がある場合は、本社の工場勘定と工場の本社勘定は一致しません。
未達取引は、原則として決算時に処理します。
なお、実際の到着日に実際の記帳を行う方法(到着日記帳法)もあります。

(2)決算整理
本社と工場はそれぞれが独立した会計単位なので、別々に決算整理を行うことになります。
この結果、それぞれの帳簿上、あるいは、それぞれで作成された財務諸表から独自の業績を把握します。

(3)決算振替
総合損益勘定を設ける場合の一般的な決算振替は次のとおりです。

(本社純利益の総合損益勘定への振替)
本社:(借)損  益300 (貸)総合損益300 

(工場純利益の振替)
工場:(借)損  益 100 (貸)本  社100
本社:(借)工  場 100 (貸)総合損益100

(内部利益の整理)
本社:(借)内部利益  10 (貸)内部利益戻入10
      内部利益控除20    内部利益  20

(内部利益の戻入、内部利益控除の総合損益勘定への振替)
本社:(借)内部利益戻入10 (貸)総合損益 10
      総合損益 20    内部利益控除20

(会社全体の純利益の繰越利益剰余金勘定への振替)
本社:(借)総合損益 390 (貸)繰越利益剰余金390