【企業買収とは】
企業が他の企業の事業を取得するには、(1)事業そのものを買う場合と(2)株式を買う場合があります。

(1)事業の譲受け
その企業から事業そのものを譲受け、代金を支払うケースです。
この場合の事業は、広い意味で、例えばある企業のたこ焼き部門を買収するという場合の「事業」には、たこ焼き部門の資産(たこ焼き器や屋台)以外にたこ焼き部門の組織(たこ焼き屋のオヤジさん)も含まれます。

(2)株式の取得
会社の発行する株式をすべて取得すれば、事実上、その会社を支配することができます。

その他にも合併等による場合も考えられますが、ここでは、事業の譲受けと株式の取得による企業買収の会計処理を考えておきましょう。


【会計処理】
(1)事業の譲受け
(借)資  産××× (貸)負  債×××
   の れ ん×××    現金預金×××
   →差額        →取得の対価

※のれんは、20年以内に定額法等により償却します。

(2)株式の取得
(借)子会社株式等××× (貸)現金預金×××
               →取得の対価

※借方は、その株式を取得後の「議決権の所有割合」で判断します。
50%超        → 子会社株式 または 関係会社株式
20%以上かつ50%以下 → 関係会社株式(投資有価証券)


<テキスト記事一覧>
企業買収
合併の意義と種類
企業評価額の算定
合併比率と増加資本金
合併の会計処理の考え方
抱合株式の処理
自己株式の移転
合併の会計処理


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