デリバティブの一種に先渡取引があります。

【先渡取引の意義と種類】
先渡取引とは、「将来の特定の期日に、特定の価格で売買することを約束した取引」です。

先渡物取引は、「将来の売買の約束」であり、その本質は、先物取引と異なりません。

先に紹介した先物取引(狭義)と先渡取引をあわせて、先物取引(広義)という場合もあります。

先物取引との一般的な違いは、先物取引が取引所取引であるのに対して、先渡取引が相対取引である点があげられます。

先渡取引は、取引所取引ではないため、先物取引のように委託証拠金は必ずしも必要ではありません。

先渡取引は、相対取引であり、当事者間において自由に契約条件を定めることができます。

先渡取引の原資産としては、金利や為替が多いです。


【先渡取引の会計処理】
(1)取引開始時
 仕訳なし

(2)決算時
 (評価益)先渡(取引)資産××× 先渡利益  ×××
 (評価損)先渡損失  ××× 先渡(取引)負債×××

(3)決済時
(利益)現金預金  ××× 先渡(取引)資産   ×××
              先渡利益     ×××
(損失)先渡損失  ××× 現金預金×××
    先渡(取引)負債×××


※先物取引同様、勘定科目にさほどこだわる必要はないでしょう。
 取引開始時に仕訳がないのは、先物取引とは異なり、相対取引であるため、委託証拠金を要しないためです。


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