【対象=簿記論】

(問題)
個人企業であるA商店の前期末の貸借対照表は次のとおりである。
以下の資料をもとに下記の設問に答えなさい。
会計期間は1月1日から12月31日である。

(資料)前期貸借対照表
【借方】
現  金400
売 掛 金300
前払費用100
 合計 800
【貸方】
買 掛 金 200
資 本 金 400
当期純利益200
 合計  800

(設問)
問1 仮にA商店が英米式簿記法を採用していた場合のそれぞれの金額を示しなさい。
(1)前期の繰越試算表の合計額
(2)前期の繰越試算表上の資本金勘定の金額
(3)当期に行われるべき営業仕訳記入前の普通仕訳帳の合計額

問2 仮にA商店が純大陸式簿記法を採用していた場合のそれぞれの金額を示しなさい。
(1)前期の閉鎖残高勘定の合計額
(2)当期に行われるべき営業仕訳記入前の普通仕訳帳の合計額

問3 仮にA商店が準大陸式簿記法を採用していた場合のそれぞれの金額を示しなさい。
(1)前期の残高勘定の合計額
(2)当期に行われるべき営業仕訳記入前の普通仕訳帳の合計額

(解答欄)
問1 (1)(    )円、(2)(    )円、(3)(    )円
問2 (1)(    )円、(2)(    )円
問3 (1)(    )円、(2)(    )円

(解答)
問1 (1)( 800)円、(2)( 600)円、(3)( 100)円
問2 (1)( 800)円、(2)(1,700)円
問3 (1)( 800)円、(2)( 900)円

(解説)
問1
(2)繰越表は、前期末の勘定残高(次期繰越)の集計表なので、資本金勘定は、400+200(当期純利益)=600になります。

問2 問3 再振替仕訳分を忘れないようにしましょう。

英米式簿記法は集合勘定としての残高勘定を設けず、直接、資産、負債、資本の各勘定上で繰越処理が行われます。

準大陸式簿記法は開始残高勘定を設けず、直接、資産、負債、資本の各勘定の残高で開始仕訳を行ないます。
準大陸式簿記法では、残高勘定は、決算手続においてのみ生じますので、この場合の残高勘定は、単に残高勘定と称されることが多いです。
これに対し、純大陸式簿記法は、開始残高勘定を設けるので、これと区別する意味で、決算手続の段階で設けられる残高勘定は決算残高勘定または閉鎖残高勘定と呼ばれています。

純大陸式簿記法では、開始残高勘定を設け、開始残高勘定を相手勘定として、資産、負債・資本の各勘定の残高で開始仕訳を行なうことになります。

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「米式と大陸式の違い(1)−開始手続
英米式と大陸式の違い(2)−仕訳帳と合計試算表の関係