（★）圧縮記帳

【圧縮記帳とは】
「圧縮記帳」とは、国庫補助金等の交付を受けて固定資産を取得した場合等において、一定の金額について、取得原価を減額して経理する方法をいいます。
圧縮記帳の固有の意味は、取得原価の圧縮にあります。
圧縮記帳の処理方法には、直接減額方式と積立金方式とがあります。


【圧縮記帳の目的】
圧縮記帳の対象となる国庫補助金等は、あくまでも制度上（会社法、税法等）は、収益です。
しかし、そもそも固定資産の取得を前提に交付を受けた国庫補助金等に対してそのまま課税を行ったのでは、その固定資産の取得に支障をきたすことにもなりかねません。
そこで税法では、一定の経理（剰余金の処分等）を要件として、課税の特例措置を認めています。
ただし、国庫補助金相当額の課税の減免を行うのではなく、あくまでも課税の繰延（延期）を行うことに圧縮記帳の目的があります。
圧縮記帳制度は、課税の減免制度ではなく、課税の繰延制度です。


【関連記事】
・直接減額方式
・積立金方式
・保険差益の圧縮記帳
・積立金方式による圧縮記帳（非減価償却資産）

Comments

[1. ペンは剣より強し]

先生こんにちは。

圧縮記帳で根本的な質問です。

圧縮記帳制度は、課税の繰延制度であるというのは理屈の上で理解しました。
しかし、結局国庫補助金等に対して課税されるのは、かわりないですよね？

長いスパンで課税されるか、補助金を得た期で課税されるかの違いだけですよね？

なんか釈然としません。
国庫補助金に課税してしまうと「何のための補助なの？」って感じがしてしまいます。

指導よろしくお願い致します

[2. 講師]

ペンは剣より強しさん、こんばんは。

補助金を全額非課税にしてしまうとその補助金で取得した固定資産の減価償却費は全額損金になります。
ここまでするとさすがに優遇しすぎという気もしますがどうでしょうか。

国庫補助金の典型は、たとえば地球にやさしいタイプの固定資産なんかの取得費用だったりするかと思います（詳しくはしりませんが）。
普通に買えばもっと安くかえるとするとその固定資産の取得が進みません。
そこで補助金になる訳ですが、課税の影響も考えた上で、その金額を決めることになるのではないかと思います。

[3. ペンは剣より強し]

先生こんばんわ
了解しました
ありがとうございます

[4. ちん]

先生こんにちわ

圧縮記帳制度は、
課税の減免制度ではなく、
課税の繰延制度ということですが

課税の減免制度ではないということが、なぜ強調されているのですか？

[5. 暮木孝司]

ちんさん、こんばんは。

国庫補助金を受け取った段階では課税されません。
でも、後の減価償却の元になる取得原価も小さくなりますので、減価償却費が小さくなります。
減価償却費が小さくなることで後で利益が大きくなる。
そのことで課税が取り戻される。
その関係が間接的だからわかりにくいということではないかと思います。

[6. ちん]

先生ありがとうございます。
了解しました

[7. きん]

補助金をもらって圧縮記帳した建物を５年後に売却した場合の仕訳を教えてください。
建物取得価格　　700
建物簿価　　 　 500
当初補助金　　　200
補助金返還額　　160

[8. きん]

すいません。きんです。
上の質問ですが、直接減額方式の場合です。補助金は、処分制限年数内は取得価格と簿価の按分で返還する前提です。

[9. 暮木孝司]

きんさん、こんばんは。

えーっと、ご質問は、分かる範囲でお答えしているんですが、解答の呈示のない問題についての回答は控えさせていただいております。
ご理解のほど、よろしくお願いいたします。