取得者側の会計処理

新株予約権は、取得者側では、有価証券として処理します。
実際に権利を行使した場合には、株式（有価証券）に振替えます。

【新株予約権の取得時】
（借）投資有価証券（新株予約権）×××　（貸）現金預金×××
※かっこ内は、参考です。

新株予約権は株を取得（新株の引受・代用自己株式の移転）する権利ですが、実際に株式を取得した場合は、保有目的に応じて投資有価証券勘定等で処理します。
有価証券としての取扱いは、一般の有価証券と変りません。
その他有価証券に区分されるのが一般的です。


【新株予約権の権利行使時】
（借）投資有価証券（株式）×××　（貸）投資有価証券（予約権）×××
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　現金預金　　　　　　　　×××


【権利行使期限の経過時】
（借）新株予約権未行使損×××　（貸）投資有価証券（予約権）×××

借方は、他の同様の意味をあらわす科目、例えば、新株予約権未行使損失、新株予約権消滅損等であればよいでしょう。


【関連記事】
・新株予約権
・発行者側の会計処理
・ストック・オプション

Comments

[1. ノコイノコ]

先生コンニチワ！

この項のタイトル、「発行者側」じゃなくて逆の「取得者側」
ではないでしょうか。

追伸：資産の話、めっちゃ楽しみにしてます

[2. 講師]

ノコインコさん、こんばんは。

えーと、おっしゃるとおりです。
訂正しておきました（ありがとうございます）。

おおっ。がんばりまっす（でも、難しいです。とほほ）。

[3. ペンは剣より強し]

先生こんばんわ。
えらい時間にすいません。
指導よろしくお願い致します。

新株予約権の権利行使期間について素朴な質問です。

一般に権利行使期間は、どれくらいなのでしょう？数日？数週間？数ヶ月？数年？
イメージをつかみたかったのです質問させていただきました。

ちなみに、新株予約権付き転換社債の権利行使期間も同じ位でしょうか？

[4. 講師]

こんばんは。

私も詳しい訳ではありませんので、「新株予約権　行使期間」あたりで、ググってみるとマチマチな感じですね。
３年あたりが多いような気がしますが、それより短いものも長いものもあるようです。

転換社債型は、基本的には、社債と新株予約権が運命をともにするタイプでしょうから社債の償還期限に準ずる形ではないかと思います。

[5. ペンは剣より強し]

分かりました
イメージがつかめました
ありがとうございます

[6. ペンは剣より強し]

先生こんばんわ
新株予約権の取得者側の取得時仕訳について質問です。

先生の説明分中で「その他有価証券に区分されるのが一般的です。」とあります。

新株予約権の取得時の仕訳が
（借）有価証券××（貸）現金預金××
となっていますが、
”その他有価証券”の場合、借方のA/Cは、「投資有価証券」A/Cでないでしょうか？

指導よろしくお願いいたします。

[7. 講師]

ペンは剣より強しさん、こんばんは。

そうですね。
投資有価証券ですね。
ご指摘ありがとうございました。
訂正させていただきます。

[8. パフパフ]

質問させてください。

【新株予約権の権利行使時】
の仕訳についてですが、

（貸）投資有価証券等（予約権）は、
投資有価証券ではないですか？
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

[9. 講師]

そうですね。
先の仕訳が投資有価証券なのでそれと同じでないとまずいです。
借方も投資有価証券で統一してしまうことにします。
ご指摘ありがとうございました。

[10. zeitaka]

質問よろしいでしょうか？

新株予約権の権利行使時の仕訳ですが、

新株予約権は市場で流通しているものですよね？
もし、新株予約権の取得原価と権利行使時の時価に乖離があった場合、

通常の有価証券と同様に考えて
売却損益（評価損益？）という勘定科目
を使って処理するのでしょうか？

（借）投資有価証券15（貸）投資有価証券3
　　　　　　　　　　　　　（貸）売却損益？2
　　　　　　　　　　　　　（貸）現金10

新株予約権の取得原価3
新株予約権の権利行使時時価5
権利行使価額　10

金額などは勝手にこちらで仮定しました。

「売却損益」などとという科目でよいのか
自信がないです。新株予約権は権利行使
によって手放したと考えれば「売却損益」でもよさそうですし・・・・

そもそも権利行使時に新株予約権の時価評価ってするんでしょうか？・・時価評価すべきではないかと勝手に想像してるのですが・・・

どうかご教示願います。

[11. zeitaka]

すみません、追記です。

調べたら、ある程度わかりました。

新株予約権を売買目的有価証券に区分した場合は権利行使時に時価評価し、その他有価証券に区分した場合は時価評価せず、簿価のまま有価証券勘定または投資有価証券勘定へ振り替えるのですね。

でも、なぜ処理方法に違いが出るのでしょう？

また時価評価した場合の損益の科目名も
まだハッキリしません。

ご多忙の折恐縮ですがご教示願います。

[12. 講師]

zeitakaさん、こんばんは。

取扱いとしてはおっしゃる感じでよいと思います。

正確には、新株予約権が売買目的で取得したものなら時価、その他なら帳簿価額で振り替えることになります。
売買目的の場合には、損益が出ることになりますが、売買の場合はそもそも売却損益と評価損益を合わせて有価証券運用損益とすることもありますので、それほど大きな違いはないかもしれないですね。
新株予約権の利用は、ストックオプションか、社債との抱き合わせが多いでしょうから、新株予約権のみが市場で頻繁に売買されている感じではないと思いますので、事実上は、それほど実例も多くないような気がいたします。

[13. 講師]

その他有価証券のときに時価で振り替えてしまうとその他有価証券が永久に残ってしまうのがとっても微妙なんではないかなあと思います。
これも純資産直入というある種とても特殊な処理方法を採用しているせいなのではないかとも思います。

処理自体をみた記憶がありませんので微妙ですが、権利行使で予約権が株式に変わるのですから売却損益でよいのではないかと思います（後日、確認できましたら記事等で補足させていただきます）。

[14. zeitaka]

お礼が遅れて申し訳ありません。

本当にありがとうございました。

最近は重箱の隅をつつくような論点ばっかり気になってしょうがありません。
基本が大事！と割り切りたいのですが、
ついつい、性分でして・・・

おかげさまで助かりました。