現状での手形割引の会計処理は、次のとおりです。

(借)現金預金 ××× (貸)受取手形×××
   手形売却損×××

これでおしまいかというと、そうでもなくて、

(借)保証債務費用××× (貸)保証債務×××

という処理を行う場合があります。
借方の保証債務費用は、費用、保証債務は、負債に属する勘定科目です。

続・手形割引の会計処理では、この「保証債務」に注目してみていきたいと思います。
試験との関連性は、ぐっと低くなります(すんません。でももちろんまったく関係ないなんてことはありませんが)。

この保証債務、従来、同姓同名の勘定科目が登場することがありました。
他人の債務を保証した時の備忘記録です。

(借)保証債務見返××× (貸)保証債務×××

手形割引時に生ずる保証債務と備忘記録における保証債務とは、別ものです。
手形割引時の保証債務は、貸借対照表にきちんと表示される負債であるのに対して、他人の債務保証をした場合に生ずる保証債務は、単なる備忘記録という違いがあります。

そういえば、退職給付費用、リース債務のように、「費用」や「債務」という語句を使用した勘定科目が増えてきました。
「費用」がつけば、費用に属する勘定(あたりまえか)、「債務」がつけば、負債に属する勘定というのがすぐにわかるという意味ではいいかもしれません。
しかし、従来、使用していた勘定科目と同じ名称の科目が異なる意味をもって登場するというのは、混乱しやすいのでホントに困ったものです。

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