「週刊少年ジャンプ」と「会計基準」の共通点は、厳しい市場(消費者)の目にさらされていることです。

消費者の位置付けが、「ジャンプ」は「読者」、「会計基準」は、「財務諸表の利用者」という違いは、ありますが。


ジャンプは読者からアンケートをとって、それを紙面に反映させることで、市場(読者)のニーズを反映させています。

会計(基準)の場合はどうでしょうか?


簿記は、企業活動の帳簿記録です。

その記録に基づいた報告をするのが会計といってよいでしょう。

つまり、とても短い言葉で誤解をおそれずにいうなら、簿記は、「記録」で、会計は「報告」です。

報告(会計)は、記録に基づいて行われますし、記録(簿記)も報告を前提に行われているといってよいでしょう(両者をあわせたところで、会計という場合もあります)。

そして、その「報告のルール」が「会計基準」です。

報告は、財務諸表の作成、公表という形で行われますので、会計基準は、「財務諸表作成の基準」といってもいいでしょう。


会計の報告の相手先は、典型的には、出資者(株主)ですが、それ以外にも投資家や債権者等にも目を向けなければなりません。

そして、この投資家や債権者等といった企業に、出資をしよう、あるいは、資金を提供しようとする人々が、その判断の材料にするのが、財務諸表であり、その財務諸表の作成のルールが会計基準です。


ジャンプが独自の編集方針とアンケートシステムによって躍進したとことは、逆にそのような努力を行わない週刊少年マンガ誌は、市場からでていけということを意味するでしょう。

怠惰な少年マンガ誌は、売れなくて、市場から撤退するということにならざるを得ません。


会計(基準)についても、同様のことが我国を舞台に起こったのです。

詳細は省きますが(←省くんかい)、海外の資金調達市場(お金の借り場所)で、日本企業が資金を借りるのに、金利を上乗せされるという事態が生じました。

上乗せ金利は、ジャパンプレミアムと呼ばれました。

よその国の企業が資金を借りるよりも高い利息を払わなければならないことになったのです。

これはたまったものではありません。

その企業の信用がないなら仕方ないかもしれませんが、日本企業であるだけで、余計な利息を払わなければならない、これはひどい話です(戦地じゃあるまいし)。
そのもっとも大きな原因が、会計基準だったのです。


詳細は省きますが(←またかい)、日本の会計基準が、国際的な基準(米国基準といってもよいかもしれません)と大きく異なっていたのです。

日本の会計基準は信用できない。

日本企業の財務諸表は信用できない。

それがジャパンプレミアムにつながりました。


この極めて具体的な出来事が、日本の会計基準を大きく変えたといってよいのではないでしょうか。

以後、新会計基準と呼ばれる会計基準がたてつづけに公表され、現在、その変革の波はややおさまったかに見えますが、今後も改変は続くことでしょう。


さて、前置きが長くなりましたが(←も、もしや、ここまでが前フリ?)、柴先生の著作「市場化の会計学」が目指しているのは、「市場化現象の勘定形式による論点整理」(同書2頁)です。

ご本人が、「勘定形式による問題解決までには踏み込んでいない」とおっしゃるくらいですから、ただ、論点を提示されてもへなちょこ講師には、難しくてわかりません。

ただ、「市場化」と「勘定形式」、すなわち、市場化と簿記とをつないだことが、どうやらこの本の狙いであるらしいことがわかります。


さて、このことが実際の過去2年の出題とどのようにかかわっているのか。

いよいよ市場最大規模(←あんたライブドアのブログ容量じゃないだから。2.1ギガですって)の過去問分析が次回からはじまります(←また、きっと、前置き長いのねん)。


と、ついにカウンターが1万を超えました。

これも皆様のおかげです。

今後も簿記から離れることなく(←ギリギリやん)、がんばってまいります。

今後ともご愛顧とそして、簿記論合格率20%化計画へのご協力をよろしくお願い申し上げます(←って、あんたそれ野望じゃなかたっけ)。

よろしくお願い致します(←)。