【ファイナンス・リース取引の要件】

ファイナンス・リース取引は、実質的には、「借入→売買」取引と同じです。

(1)解約ができず、(2)修繕費等の維持費用を負担するリース取引は、ファイナンスリース取引に該当します。

解約もできないで、維持費用を負担しているのであれば、実質的には、買ったのと変らないということでしょう。

誰も他人の家の芝は刈りませんよね。



【ファイナンス・リース取引の会計処理(期中処理)】

ファイナンス・リース取引は、通常の売買処理に準じた会計処理をします。

(資産取得時)  リース資産 ××× リース債務×××

(リース料支払時)リース債務 ××× 現金預金×××
         支払利息  ×××


資金を借り入れ、固定資産を取得した場合は、次の処理をします。

(資金の借入)現金預金××× 借 入 金×××

(資産の購入)固定資産××× 現金預金 ×××

ただし、やはりリース取引は、法的には「資金の借入→固定資産の取得」ではありません。

借入金については、「リース債務」という勘定科目を用いる場合が多いようです。

固定資産については、備品等の固定資産の科目をそのまま用いる場合もあります。

財務諸表の表示は、有形・無形の別に「リース資産」が原則です。

現金預金が実際に動いている訳ではないので、現金預金は相殺する感じになります。


(リース資産取得時)リース資産××× リース債務×××


このリース債務は、借入金ないしは未払金に近いと考えるとよいでしょう。

リース料の支払時には、次の処理が行われます。

この処理は、借入金の返済と変りません(利息の計算の仕方も通常の金利計算と変りません)。

リース債務××× 現金預金×××
支払利息 ×××



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