【リース取引の意義】

リース取引は、資産の「貸し借り」です。

リース会社(貸手)の処理を問われることはやや少ないので、通常は、資産を借りる行為がリース取引といえるでしょう。

以後の記述でも借手を前提にしている場合があります。

もちろんリース会社は、だだでは貸しません。

お金をとります。

特定者間での有償の貸借取引、つまり、「賃貸借」取引がリース取引です。



【リース取引の分類】

リース取引は、大きく二つに区別されます。

一つが、買ったのと同じじゃね、という取引。

これをファイナンス・リース取引といいます。

もう一つがそれ以外(借りてる)オペレーティング・リース取引です。

それぞれ、実態(売買か、賃貸借か)に応じて、会計処理(売買処理、賃貸借処理)を行うことになります。

(1)ファイナンス・リース取引   → 売買処理

(2)オペレーティング・リース取引 → 賃貸借処理



【ファイナンス・リース取引】

ファイナンス・リース取引は、ラフにいえば、資金を借りて、その資産を買ったのと同様の取引です。


(借)現金預金××× (貸)借 入 金×××

(借)固定資産××× (貸)現金預金×××


資金を借りて、資産を買ったならそのとおりに処理(売買処理)すべきでしょう。

もっとも実際のお金の動きはありません。

現金預金はいらないので次の感じになります。


(借)固定資産××× (貸)借 入 金×××


また、実際には、お金を借りているのではありません(借入金⇒リース債務)。

法的には所有しているわけでもありません(固定資産⇒リース資産)。

で、次の感じになります。


(借)リース資産××× (貸)リース債務×××


借方のリース資産は、備品等の勘定科目を使うこともあります。


やや特異なのが、リース期間終了時に所有権が移転するか否かで若干、取扱いが異なる点です。

リース期間終了時に所有権が移転するリース取引が「所有権移転ファイナンス・リース取引」です。

所有権が移転しないリース取引は、「所有権移転外ファイナンス・リース取引」ですす。

ちと言葉が長いですが、慣れです。

厳しかったら先に20回復唱しましょう。

最終的に所有権が移るかを重視してるんですね。


【オペレーティング・リース】
オペレーティング・リース取引は、純粋に借りている取引です。

単に借りているだけなので、賃借料(支払リース料)を費用処理します。

これは建物を借りているときに「支払家賃」とするのと同じです。



【関連記事】
ファイナンス・リース取引の要件と期中処理
取得価額と支払利息
決算時の処理
オペレーティング・リース取引
セール・アンド・リースバック



税理士試験 簿記論 講師日記 全テキスト記事一覧