研究開発費と繰延資産

【研究開発費】

研究開発費は、研究とか、開発というくらいなので、「新しい製品」や「新しい技術」にかかわるものです。

また、既存の製品や技術に「著しい改良」が行われた場合の費用も研究開発費に該当します。

会計処理は、ずばり「研究開発費」（販売費及び一般管理費・製造原価）です。



【研究開発費と開発費（繰延資産）】

「開発費」は、次の目的で特別に支出した金額です。

（１）新経営組織の採用

（２）資源の開発

（３）市場の開拓

保険の意味でもおさえたいところでしょうか。

原則は費用（営業外費用）処理ですが、繰延資産として計上した場合は、５年（月割）で償却を行います。



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Comments

[1. ペンは剣より強し]

先生こんにちわ

研究開発費で以下のような専門学校の問題が出ました。（以下カッコ部分が抜粋）

「研究開発の一部を外部に委託したもの８，２２０千円を販管費（研究開発費）として処理している。なお、当該研究開発費については、翌期に作業が終了し検収される予定である。」
専門学校の解答は、前払金８２２０｜販管費８２２０でした

＜質問１＞外部に委託したことによって会計処理に影響はないのでしょうか？会計基準、実務指針等で外部委託の会計処理指針なんかあるんでしょうか？

＜質問２＞作業の検収という部分がよく分からないのですが、外部委託した場合「検収」が終わってから会計処理を行うものでしょうか？有形固定資産の工事もある意味外部委託ですが、この場合も検収とかあるのでしょうか？これも、実務指針、会計基準等に指針とかあるんでしょうか？


指導よろしくお願いいたします。

[2. 講師]

ペンは剣より強しさん、こんばんは。

質問１
「基準」の六.適用時期　１委託・受託契約
に規定があるようです。
委託研究開発費は、「基準」の対象になります（費用処理）。
御質問のケースですとまだ費用処理するのが早いという感じでしょうか。

質問２
検収は、役務提供以外に商品販売でも一般的にはあると思います。
工事を外注する場合でもきちんと工事ができていることは確認するハズですし、商品を購入してもちゃんと注文した商品とあってるかは確認するハズです。
その意味で検収段階で仕入や売上を計上する検収基準は一般的です。
ただ、ここは継続適用していれば他の基準をとっていても問題はありませんので、とにかく問題の指示をしっかり読むことが大事だと思います。

この点に関して基準等はないと思います。

[3. ペンは剣より強し]

先生こんばんわ。
分かりました。
検収基準は、確かに一般販売でも学習しました。このあたりと思考がつながりました。
ありがとうございます。

[4. パフパフ]

先生、おはようございます。

問題集で、分からないところがあったので、教えてください。

「研究開発費50,000で計上する機械装置があり、この機械は税務上減価償却を行うため、法定実行税率40%として税効果会計を適用する。
税務上の減価償却は、定額法（耐用年数7年、償却率0.142、残存割合10%）による。」

解答は繰延税金資産17,444/法人税等調整額17,444で、
解説に会計上：機械装置の帳簿価額0　
税務上：50,000-50,000×0.9×0.142=43,610なので、差額43,610×40%=17,444
とあるのですが、なぜ会計上は0になるのでしょうか？機械装置の研究開発費は会計上で50,000計上されているはずですよねぇ。
差額が減価償却費分であれば、損金不算入で理解できるのですが。
どうかご教授ください。

[5. 講師]

パフパフさん、こんばんは。

基準では、資産負債法をとっていますので、正確には、会計上の資産と税務上の資産との差額が差異で、これに税率をかけて税効果額を算出します。

（１）会計上の資産
全額費用処理しているのでゼロ

（２）税務上の資産
税務上の資産は、取得原価から損金算入額を控除した金額です。
損金算入額は、費用処理額（取得原価全額）のうち償却限度額までの金額ですので、結局は償却限度額です。

もっともこの金額は、費用（損金）計上額の差と同じです。
（１）会計上の費用
取得原価を全額費用処理していますので、取得原価です。

（２）税務上の費用（損金）
償却限度額と同額になります。

計算の上では、どちらでも同じなので、素早く集計できる方で計算してかまわないと思います。
理論的（あるいは解説的）には、資産負債法でいかざるを得ないかもしれないといったところではないでしょうか。

[6. パフパフ]

お返事遅くなりました。

なるほどです、税務上の損金計上限度額が減価償却費分になるのですね。

全く反対でした。

ありがとうございました。