租税公課

いわゆる租税（租税公課）の簿記上の取扱いは、利益に応じて課される租税とそれ以外の租税とでは異なります。



【法人税等】

利益に応じて課される租税には、法人税、住民税、事業税があります。

損益計算書では、「法人税、住民税及び事業税」として当期純利益の下に表示されます。

なお、簿記処理（仕訳）上の勘定科目としては、「法人税等」勘定が一般的です。



【法人税等以外の租税】

法人税等以外の租税には、固定資産税、印紙税、登録免許税等があります。

これらの租税は、固定資産等の取得原価に算入される場合を除いて、損金の額に算入されます（税務上の経費になる）。

各種加算税（金）、延滞税（金）、罰金等のペナルティの性格を有する租税等は、損金の額に算入されません。

法人税等以外の租税は、支出時に租税公課（または各々の税金の名称）の勘定科目で処理します。

もっとも、固定資産の取得に要した租税は、固定資産の取得原価に算入するのが、簿記処理としては、原則的です（実務上は、損金算入が認められるため費用処理する場合が多い）。



【租税公課のまとめ】
租税……利益に対する租税（法人税、住民税、事業税）→法人税等
　　　　その他（固定資産税、印紙税、登録免許税等）→租税公課



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Comments

[1. ペンは剣より強し]

先生こんにちわ。

租税公課について質問です。

「租税」は、「利益に課される税金」「利益に課されない税金」で分類出来るようですね。

「公課」は、どのように理解したらいいでしょうか？「公課」という文字を噛み砕くと「公に課されるもの」といった感じでしょうか？
そう考えると”いかにも税金”といった感じがしないでもないです。

「公課」は「租税」とどう違うのでしょうか？
イメージがイマイチわきません。

指導よろしくお願い致します。

[2. ペンは剣より強し]

先生こんにちわ。

たびたびすいません。

「租税公課」ACのように「利益に課されない税金」は、PL”費用”に分類出来ますが、なぜですか？

「利益に課されない税金」「利益に課される税金」でPL表示に対する扱いが異なる理由は何かあるのでしょうか？（片方はPL費用、他方はPL法人税等）

指導よろしくお願い致します。

[3. 講師]

ペンは剣より強しさん、こんばんは。

「租税」といいきってしまうと税法学などで「税」や「租税」だといえるものに限定されるイメージがあるので、それよりは広いですよといった程度の意味だと思います。

ペナルティーに近い税金（延滞税や加算税など）なんかも考え方として、「租税」とは呼びにくい面があります。
実際には、税に含めて整理されてはいますが、ごく一般にイメージする国等が収入目的で課するものとは様子がちょっと違います。
これを拡張させていくと、交通違反の罰金はどうなんだとか微妙なものもあるかもしれません。
国等ではないけど、公っぽい組織は結構あって、仮に「税」と呼べなくても似てるものなら入れましょうといった程度の意味ではないかと思います。
試験的には、ほとんどみかけませんね。

[4. 講師]

なんらかの意味で損はしている訳ですから、広い意味（資産、負債、純資産、費用、収益）でいう場合の費用であることは、いずれの税金も同じだと思います。

あとは、どう表示するのが財務諸表を利用する人にとって便利なのかという話かもしれません。

利益に対してかかるものなら、いったんその税金を引く前の金額（税引前当期純利益）を表示して、その後の金額を再掲するというのは、一つの知恵ではないかと思います。

もっとも以前は、利益に対してかかる税金は、費用というよりも、利益の処分に近いのではないかという考え（利益処分説）がありました。
今は、費用とする考え（費用説）が一般的ですが、両者の間をとる形で、段階的な表示をしているというような説明も以前はなされていたように思います。

[5. ペンは剣より強し]

先生おはようございます。
了解しました。
ありがとうございます。