【完成度換算法(平均法)】

完成度換算法による期末仕掛品の評価では、期首仕掛品がないと、それほど問題はありません。

しかし、期首仕掛品がある場合には、評価方法(要は考え方、仮定の違いである)によって違いがでます。

まずは、平均法をみてみましょう。

加工進捗度は加味しない(あるいは加味した後として)ケースです。

期首仕掛品 2個 200円
当期投入分 4個 400円
当期完成分 5個
期末仕掛品 1個

平均法によれば、期首仕掛品と当期投入分とが平均的に完成品になると考える訳ですから、期末仕掛品を算出するには、いったん一個あたりの平均単価を算出し、これに期末仕掛品の数量をかければよいことになります。

(期首仕掛品原価200円+当期投入原価400円)÷6個=@100円
@100円×期末仕掛品数量1個=100円(期末仕掛品原価)

あるいは、次の考え方でも同様です。

平均法では、期首仕掛品と当期投入分が等しく完成品と期末仕掛品とになりますので、全体の原価を当期5個と期末1個の比率で按分すればよいでしょう。

(期首200円+当期400円)×期末1個/(完成5個+期末1個)=100円

とにかく、考え方をおさえて計算できるようにすることが大事だと思います。

式を無理やりに覚えても、やがては忘れてしまう可能性が高いでしょう。



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