【振当処理とは】
「振当処理」は、振替割当処理とも呼ばれ、「予約時の直物相場での換算額」と「予約相場での換算額」との差額を期間配分する処理方法です。
【振当処理の具体例】
(事例)
輸入取引1ドル
2月1日 取引 直物相場100円
3月1日 予約 直物相場103円 先物(2か月)相場105円
3月31日 決算
4月30日 決済
(会計処理)
2月1日 取引 (借)仕 入100 (貸)買掛金100
3月1日 予約 (借)為替差損益3 (貸)買掛金 5
前払費用 2
3月31日 決算 (借)為替差損益 1 (貸)前払費用 1
4月30日 決済 (借)買掛金 105 (貸)現金預金105
為替差損益 1 前払費用 1
ちょっと長くなりますが、仕訳処理を一つずつみていくことにしましょう。
2月1日 取引 (借)仕 入100 (貸)買掛金100
取引時点では、為替予約は付されていません。
ので、通常どおり、直物為替相場(その時の為替相場)で換算します(1ドル×100円)。
3月1日 予約 (借)為替差損益3 (貸)買掛金 5
前払費用 2
予約時点の直物相場は、103円に動いています。
この直物相場の推移(取引時100円→予約時103)を単純に換算したのが、上段の「為替差損益3 買掛金3」の仕訳です。
為替予約で、決済額が固まったのを機会に、これまでの直物相場の変動を一回精算しておこうという感じでしょうか。
この3円は、「取引時点の直物為替相場」と「予約時点の直物為替相場」の差額であり、「直直差額」などとよばれます。
直直差額は、「当期の損益」として処理される訳です。
下段の「前払費用2 買掛金2」がわかりにくいかもしれません。
その日の直物為替相場は103円なので、予約相場105円との差は、2円です。
予約相場で決済が行われるのは、2月先なので、これを2月の間に期間配分するのが振当処理です。
この2円は、「予約時の直物相場」と「予約相場(先物相場)」との差額なので、「直先差額」などと呼ばれます。
直先差額は、期間配分されることになります(メインは、為替差損益が、期間に応じて計上されることです)。
この仕訳の「前払費用」を、期間配分(月割計算)するのは、経過勘定項目と同様です。
ただし、本来的には、経過勘定項目とはやや異なるというべきかもしれませんが、この科目が一般化しています。
本当は新たな科目を設けたいくらいですが、もちろん、それはそれで混乱の原因になるので、回避すべきなのでしょう。
3月31日 決算 (借)為替差損益 1 (貸)前払費用 1
直先差額(予約時の直物相場と先物相場との差額)は期間配分されます。
具体的な会計処理は、予約時点では、いったん前払費用(または前受収益)に計上し、期間の経過(3月1日から3月31日)にみあう部分を、為替差損益にする場合が多いうようです。
※次の処理でもかまいません。
3月1日 (借)為替差損益5 (貸)買掛金5
3月31日 (借)前払費用1 (貸)為替差損益1 ←この1円は4月1日から4月30日の分
両処理で、決算整理後の試算表の数字が変らないことを確認してみてください。
4月30日 決済 (借)買掛金 105 (貸)現金預金105
為替差損益 1 前払費用 1
決済は、予約相場で行われるので上段の仕訳はいいでしょう。
下段の処理を期首に行う例もあるようですが、この場合の前払費用が必ずしも経過勘定項目とはいえないので、この処理を行う例が多いようです。
【ポイント】
【関連記事】
・為替予約
・独立処理
・税理士試験 簿記論 講師日記 全テキスト記事一覧
「振当処理」は、振替割当処理とも呼ばれ、「予約時の直物相場での換算額」と「予約相場での換算額」との差額を期間配分する処理方法です。
【振当処理の具体例】
(事例)
輸入取引1ドル
2月1日 取引 直物相場100円
3月1日 予約 直物相場103円 先物(2か月)相場105円
3月31日 決算
4月30日 決済
(会計処理)
2月1日 取引 (借)仕 入100 (貸)買掛金100
3月1日 予約 (借)為替差損益3 (貸)買掛金 5
前払費用 2
3月31日 決算 (借)為替差損益 1 (貸)前払費用 1
4月30日 決済 (借)買掛金 105 (貸)現金預金105
為替差損益 1 前払費用 1
ちょっと長くなりますが、仕訳処理を一つずつみていくことにしましょう。
2月1日 取引 (借)仕 入100 (貸)買掛金100
取引時点では、為替予約は付されていません。
ので、通常どおり、直物為替相場(その時の為替相場)で換算します(1ドル×100円)。
3月1日 予約 (借)為替差損益3 (貸)買掛金 5
前払費用 2
予約時点の直物相場は、103円に動いています。
この直物相場の推移(取引時100円→予約時103)を単純に換算したのが、上段の「為替差損益3 買掛金3」の仕訳です。
為替予約で、決済額が固まったのを機会に、これまでの直物相場の変動を一回精算しておこうという感じでしょうか。
この3円は、「取引時点の直物為替相場」と「予約時点の直物為替相場」の差額であり、「直直差額」などとよばれます。
直直差額は、「当期の損益」として処理される訳です。
下段の「前払費用2 買掛金2」がわかりにくいかもしれません。
その日の直物為替相場は103円なので、予約相場105円との差は、2円です。
予約相場で決済が行われるのは、2月先なので、これを2月の間に期間配分するのが振当処理です。
この2円は、「予約時の直物相場」と「予約相場(先物相場)」との差額なので、「直先差額」などと呼ばれます。
直先差額は、期間配分されることになります(メインは、為替差損益が、期間に応じて計上されることです)。
この仕訳の「前払費用」を、期間配分(月割計算)するのは、経過勘定項目と同様です。
ただし、本来的には、経過勘定項目とはやや異なるというべきかもしれませんが、この科目が一般化しています。
本当は新たな科目を設けたいくらいですが、もちろん、それはそれで混乱の原因になるので、回避すべきなのでしょう。
3月31日 決算 (借)為替差損益 1 (貸)前払費用 1
直先差額(予約時の直物相場と先物相場との差額)は期間配分されます。
具体的な会計処理は、予約時点では、いったん前払費用(または前受収益)に計上し、期間の経過(3月1日から3月31日)にみあう部分を、為替差損益にする場合が多いうようです。
※次の処理でもかまいません。
3月1日 (借)為替差損益5 (貸)買掛金5
3月31日 (借)前払費用1 (貸)為替差損益1 ←この1円は4月1日から4月30日の分
両処理で、決算整理後の試算表の数字が変らないことを確認してみてください。
4月30日 決済 (借)買掛金 105 (貸)現金預金105
為替差損益 1 前払費用 1
決済は、予約相場で行われるので上段の仕訳はいいでしょう。
下段の処理を期首に行う例もあるようですが、この場合の前払費用が必ずしも経過勘定項目とはいえないので、この処理を行う例が多いようです。
【ポイント】
★使う相場は3つのみ(取引時の直物相場、予約時の直物相場・先物相場)
★直直差額は、当期の損益(為替差損益)
★直先差額は、期間配分(前払・前受で受けて、為替差損益)
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