【内部利益の控除の考え方】

内部利益は、本支店を一つの企業としてみると、まだホントの利益ではありません。

別々の企業と考えるならそれは、利益でしょう。

しかし、財務諸表作成の単位でみると同じ企業を便宜上二つ(以上)に分けただけなので、この利益が合併財務諸表に影響してはおかしいです。

これを取り除く作業を行う必要があります。

具体的な内部利益の控除は、期首商品と期末商品に含まれる内部利益を控除すればよいことになります。

これを財務諸表で考えると、

(損益計算書)
売上原価の期首商品棚卸高
売上原価の期末商品棚卸高

(貸借対照表)
商品(←期末)
に含まれています。
ここからそれぞれ(期首・期末)の内部利益を控除してやればよいことになります。


【内部利益の計算】
利益を付加している場合には、例えば、20%の利益を付加している場合には、100円の商品に対して20円の内部利益が含まれており、この内部利益を含んだ金額120円が元になっています。

120円×0.2/(1+0.2)=20円

という計算で利益が算出できます。
もちろん、原価+利益=売価 ですから、

120円÷(1+0.2)=100円(原価)

といったん原価を算出し、

120円−100円=20円

と内部利益を計算してもよいでしょう。

また、利益率(原価率)を一定として商品が送付されている場合は、利益率をそのままかければよいことになります。



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