【内部取引高と照合勘定の相殺の意味】

内部取引高(本店仕入勘定と支店売上勘定)と照合勘定(本店勘定と支店勘定)の相殺消去の意味を考えてみましょう。

今、原価100円の商品を、AからBに送付する場合、次の3つのケースを考えます。


(1)同一の企業内部の場合(会社の5階から1階)

仕訳なし

企業内部で商品が移転しただけなので、仕訳は必要ありません。



(2)本店から支店に原価100円の商品を原価で送付した場合

本店:(借)支  店100  (貸)仕   入100
支店:(借)仕   入100  (貸)本   店100


(3)本店から支店に原価100円の商品を120円で送付した場合

本店:(借)支  店120 (貸)本店売上120
支店:(借)本店仕入120 (貸)本  店120

さて、もうお気づきでしょうか。

合併財務諸表の作成は、本当は一つの単位を二つ(以上)に分けていたものを一つに戻すことに他なりません。

(1) → (2)、(3) という具合に、本来(一つの会社なので)仕訳はいらないのにしていた。

これを、(2)、(3) → (1)と元に戻すだけの話なのです。

(2)では、本支店勘定を相殺すれば足ります。

内部利益を付加するケース(3)では、本来(一つの会社であれば)仕訳不要のところを仕訳をきっているのですから、そのまったく逆の仕訳が行われます。

一度だけでいいので納得したいところでしょう。



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