【出題内容】

出題範囲は、事実上、かなり接近しています。

一番の違いは、会計士「簿記」では、連結、CFが手厚く、税理士「簿記論」では、第三問でやや実務的な出題がありうる点でしょうか。

CF計算書は、簿記論で直接法、連結は簿記論で軽めの総合問題、持分法、財務諸表論で個別が出題されています。

両項目は、最近では、税理士試験の受験機関もある程度の対策はとっているようですが、きわめて重点を置いている感じではありません。


もう一点、税理士試験と会計士試験での財務諸表論の出題の違いが簿記に影響しているといってよいと思います。

税理士試験の財務諸表論(第2問の計算)では、主として会社計算規則に準拠した財務諸表の作成が求められますが、会計士試験では、細かい財務諸表の作成を問われることは少ないようです。

税理士試験では、財務諸表の作成は、財務諸表論にまかせておけばよいという面があるので、簿記論で、帳簿がらみの出題も多いというところでしょうか。



【その他】
(1)第三問
税理士試験の簿記論の第三問は、そもそもが完答を目指すという感じではありません。

その量・難易度は、標準そのものが、高レベルといってよいと思います。

この点を事前に知っておかれるべきではないでしょうか。

この点を加味すれば、第三問を深追いすべきではありません。

ただ、逆に配点は、第1問と第2問の合計と同じなのですから、時間配分も同様に近い程度(1時間程度以上)は、かける必要があると思います。

ここが合否をわけることも少なくありません。

 
(2)実務的な出題

特に第三問で、実務的な出題がみられることがあります。

また、設定が極めて具体的な(細かい)場合もあり、問題を読むこと自体に苦労するという面があります。


(3)税に関する出題

税理士試験ということもありますが、税効果会計や消費税(税抜)についての出題頻度は高いです。

特に総合問題で両者が出題された場合には、ある程度の対策をとっていないとグズグズになってしまう可能性があります。