【貸倒実績率法とは】

貸倒見積額は、債権を、一般債権、貸倒懸念債権、破産更生債権等に区分して計算します。

このうち一般債権に適用される貸倒見積額の計算方法が、「貸倒実績率法」です。

貸倒実績率法は、過去の貸倒実績をもとに将来の貸倒れを予想する方法です。



【貸倒実績率の算出】
貸倒実績率が問題で与えられていればよいですが、問題は、自分で算出する場合です。

貸倒実績率は、「貸倒額/期末債権」で計算されます。

具体的な計算方法は会計基準等にありません。

出題された場合は、問題の指示を極めて注意深く読む必要があります。

くれぐれも先入観は禁物です。

一般債権全体で算出するのか。

勘定科目ごとに算出するのか。

また、どの期間を対象にするのか。

実績率は、各年度ごとに算出するのか、全体を通算するのか。

端数処理はどうするのか。

計算方法に規定がないので問題の指示に従うか、合理的に計算する以外にありません。

普段やっている方法が問題で要求されている処理とは限りません。

一般的な債権の回収期間は、現実的には、半年を超えることは少ないでしょうが、問題としては、債権の回収期間が1年を超える場合に、注意が必要です。

分母(期末債権)と分子(貸倒額)の対応関係を考慮するか否かで、結論が違ってきます。

税法は対応関係をみませんが、対応関係を考慮する方が合理的ではあります(面倒ですが)。

この辺も必ず問題に何らかの指示があるハズなので、貸倒実績率法の出題時には、問題の指示にくれぐれも注意しましょう。



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