社債の発行形態

【社債とは】

社債（発行者側）の実質は、（長期）借入金と同じです。

金を借りて、利息を払って、最後に返済する。

違うのは、債権者側（貸付側）で、その権利が証券（紙）として流通する（売買できる）というだけです。

有価証券の一部（満期保有目的の債券とその他有価証券のうちの債券）と債権（売掛金、貸付金等）に同じように償却原価法が適用されるのは、両者が債権の性格を有するからです。

いずれも貸付側からすれば、同じ「債権」（貸した金を返せという権利）なのです。

ただ、債券（公社債）については、それが証券（価値のある紙切れ）であることを優先して有価証券等の勘定で処理されます。


【社債の発行形態】

社債の発行形態には三種あります。


額面金額＝発行価額　→　平価発行

額面金額＞発行価額　→　割引発行

額面金額＜発行価額　→　打歩発行


額面金額と発行価額とが異なる場合は、償却原価法が適用されます。

原則は、利息法で、定額法も許容されています。

我国での普通社債の発行は割引発行が多く、実際の出題もほとんどが割引発行です。
割引発行時の償却を中心に習熟しておきましょう。



【関連記事】
・社債の一連の処理
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Comments

[1. しおおじさん]

いまこの社債のところを勉強してるのですが、かなりこんがらがります。
どこにひっかかっているのかすらわからない状態で、わからないところがわからないという意味不明な状態です。
もう少し悶々としてみます。

[2. bokiron2005]

状況が整理しにくいときは、テキストの最初の方とか、例題レベルの問題からやるといいかもしれませんね。
どのあたりかちょっとわかりませんが、やっぱりいきなり買入償還とかは、きついんじゃないかと思います。
面倒なようでも発行から償還までの処理を納得されるうちに、社債の仕組みを理解しつつ、その後に買入償還って感じかもしれません。
また、具体的なことがあったらおっしゃってくださいね。

[3. しおおじさん]

なるほど。。。そんな感じなのですねえ。
12月の頭から、専門学校の入門をはじめ怒涛のごとく走り、一応今日終了しました。
いま自分がやっていることは、来年から本格的に始めるから、つべこべ言わずに先にやってみなさいという感じなんだとおもえます。
昔数学とか習っているときに、わからないけどとりあえずすすんでみたら、前やったことがわかったなんてことがありましたけど、そういう感覚なのかもしれないです。

やり方自体は理解しているのですが、その中身、つまりどうしてこうなるのか、などということを飛ばしているとおもわれるので、今のような心境なのかもしれません。

これから内容を徐々に膨らませていけたら理解が深まるような気がします。

[4. bokiron2005@現役簿記講師]

この辺は、人によっても違いますし、
項目によっても違うと思います。
先にいって分かる項目もあれば、先にいくとよけいわからなくなる項目もあると思います。
二級あたりまでだと極端にいうとどんなやり方でもいけると思います。

「やり方」そのものに注意しておきながら、いい結果がでる方法を探すって感じかもしれませんね。
万人向きの「やり方」は、たぶんないと思いますんで。

[5. ごんべい]

　
　先生、おひさしぶりです。
　
　今年の財表試験の際には、なにかと参考になりました。質問に答えて頂きありがとうございました。
　
　社債発行費の償却についてお聞きしてもよろしいでしょうか。
　
　桜井氏の著書、『財務会計講義・第１０版』では、数学を知らないと理解できないようなところがあります。
　数学のかなり苦手な私としては理解できないです。
　
　p210より。
　償還期間４年の社債を平価発行し、発行費を50,000円要した。額面1,000,000円。
　利息法にて償却せよ。円未満四捨五入。
　
　実行利子率 r＝0.0129058を出す解説がまったく理解不能です。
　
　4√1,000,000÷950,000（√の中味は1,000,000÷950,000です）＝1.0129058より
　r＝0.0129058である。
　とあります。
　
　第一回償却時
　発行費償却12,261　　/　発行費12,261
　(＝950,000×0.0129058)

　第二回償却時
　発行費償却12,419　　/　発行費12,419
　{＝（950,000＋12,261）×0.0129058}

　4√1,000,000÷950,000（√の中味は1,000,000÷950,000です）＝1.0129058より
　r＝0.0129058である。
　
　というのは、なぜそうなるんでしょうか。　
　めんどくさい質問ですいません。
　

　
　
　　
　

[6. みほのぶるぼん]

横からすみません。

＞ごんべいさん

これは二段階に分けるとよいと思います。

?社債発行費を利息と同等の資金調達にかかる費用と見做し、計算上、社債利息と同列に扱う（利息と考えて処理する、とも言えます）。
こうすれば、社債の割引発行と同じ形で、発行時収入が1,000,000-50,000=950,000円、満期償還金額が1,000,000円となります。

?次に、複利計算で、上記の社債の利回りを計算します。
950,000円を借りて、4年後に1,000,000円を返す場合、一年当たりの利率をいくらにすれば計算がきっちり合うか、という話です。

求める実効利子率をｒとすると、4年間で950,000円が1,000,000円になる場合の一年当たりの利率ですから、
950,000×（1+ｒ）×（1+ｒ）×（1+ｒ）×（1+ｒ）＝1,000,000
となります。そうすると、
（1+ｒ）＾4＝1,000,000÷950,000
1+ｒ＝4√（1,000,000÷950,000）
から
ｒ＝0.012905895
と求められます。

こんな感じで如何でしょうか？

[7. 暮木孝司]

ごんべいさん、こんばんは。

私も数学が苦手なのですが、みほのぶるぼんさんのご説明でわかりました（みほのぶるぼんさん、ありがとうございます）。

実効利子率を算出させる出題はやや考えにくいですので、利息法の考え方だけでも少しアプローチできるといいかもしれませんね。

[8. ごんべい]

　　
　みほのぶるぼん様、はじめまして。
　また先生、お答えありがとうございます。
　
　みほのぶるぼん様、貴重なご意見、誠にありがとうございました。よくもまあ理解なさっていたものだ。
　
　桜井氏の講義を受けた方なんじゃないかと思いました。
　
　この点は、半年ぐらい前に出くわし、かなり悩んで、どーせ出ないだろうからと諦めていただけに、いやーなトゲが抜けたみたいな爽快感です。

　＜＜
　950,000×（1+ｒ）×（1+ｒ）×（1+ｒ）×（1+ｒ）
　＝1,000,000
　
　という式は、驚きました。感動しましたよ。
　なんで1,000,000÷950,000なのかがわかりました。なので、
　

　＜＜
　（1+ｒ）＾4＝1,000,000÷950,000
　1+ｒ＝4√（1,000,000÷950,000）
　
　という式の意味がわかりました。
　
　ありがとうございました。