【前期以前発生・前期以前貸倒の場合】
いったん貸倒処理を行った債権について、いくらかは戻ってくる(回収される)ことがあります。

前期以前に発生した売掛金が前期以前に貸倒れて、貸倒処理を行っていた場合は、すでに貸倒引当金関係の処理は済んでいるので、

(借)現金預金××× (貸)償却(済)債権取立益×××

という処理を行います。

償却債権取立益は、特別利益ではなく、営業外収益とします。


【前期以前発生・当期貸倒の場合】
前期以前に貸倒れた債権でも当期に貸倒処理を行っていれば、貸倒処理の逆仕訳を行う必要があります。

その部分について貸倒れがなかったのと同じだからです。

(貸倒時)(借)貸倒引当金××× (貸)売掛金×××
(取立時)(借)現金預金××× (貸)貸倒引当金×××


【当期発生・当期貸倒の場合】
このケースは実際は考えにくいかもしれませんが、当期発生し、当期に貸倒処理を行っていた債権が当期に回収された場合には、上記と同様に貸倒時の逆仕訳をします。

(貸倒時)(借)貸倒損失××× (貸)売掛金×××
(取立時)(借)現金預金××× (貸)貸倒損失×××


【まとめ】
前期以前発生・前期以前貸倒  (借)現金預金××× (貸)償却債権取立益×××
前期以前発生・当期貸倒    (借)現金預金××× (貸)貸倒引当金×××
当期発生・当期貸倒      (借)現金預金××× (貸)貸倒損失×××


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