繰延資産の償却期間

【繰延資産の種類】

企業会計上の繰延資産は、５個です。

創立費、開業費、開発費、株式交付費（自己株式処分費用を含む）、社債発行費（資金調達目的の新株予約権発行費用を含む）です。

株式交付費は、資金調達目的のものに限られます。

株式分割等にかかる株式発行費用は、繰延資産計上できません。



【繰延資産の償却期間】
（１）社債発行費………社債の償還期限（新株予約権は、３年）
（２）株式交付費………３年
（３）創立費、開業費、開発費………５年


【償却方法】
原則は、支出時の費用処理です。

繰延資産として計上した場合は、基本的には、定額法（社債発行費は、利息法が原則）による償却が行われます。


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Comments

[1. ゆっけ。]

先生、こんにちわ
また質問です。

営業権、そして繰延資産の償却期間は【期割償却】だと思いますが、

例えば
決算期間：4/1〜3/31　で、

会社設立が　8/1　と、期の途中の場合に
最初の年の償却は月割になるのでしょうか？

[2. 講師]

ゆっけさん、こんばんは。

商法（施行規則）では、「毎決算期において均等額以上」償却しろといっていますので、単純な均等額ということでよいと思います。
月割は要しないということになると思います。

[3. ぺんは剣より強し]

先生、こんにちは。
また、指導をお願い致します。

繰延資産を書籍等で学習していて、混乱しています。

「研究開発費」「開発費」「試験研究費」といったよく似たキーワードがありますが、
それぞれ使い分けがあるのでしょうか？
また、定義等異なるのでしょうか？

[4. 講師]

研究開発費は、研究開発費に正確な定義等はありますが、おおむね新製品や新技術の開発コストです。
こちらは、費用処理です。

開発費や試験研究費は、繰延資産の話です。
試験研究費は、今はありません（研究開発費に含まれる）。
開発費は、新経営組織の採用、新市場の開拓、資源の開発等の費用です。

費用処理の研究開発費と繰延資産の開発費がちょっと紛らわしいですね。

[5. ぺんは剣より強し]

先生、こんばんは。
なるほど〜〜！！です。
目からうろこでした。
質問して良かったです。
あやうく、全部同じものとして理解してしまう
ところでした。
アブかなったです。
ありがとうございました。

[6. 講師]

いえいえどういたしまして。
何かありましたらまた遠慮なくおっしゃってください。

[7. ペンは剣より強し]

先生こんばんわ。

繰延資産の「社債発行費」について質問です

償却は原則として利息法を使うとのことですが、専門学校のテキストに具体的な仕訳が
触れられていないようです。

どんな仕訳になるのでしょうか？

指導よろしくお願いいたします。

[8. 講師]

ペンは剣より強しさん、こんにちは。

仕訳そのものはまったく同じです。
社債発行差額を複利を加味して配分するように社債発行費も複利を加味して配分します。

両方に利息法の適用があるケースを記事にしようかなと思ったこともあるのですが、数字をつくるのが数学がしょぼしょぼの私では厳しそうです。
社債の残高に応じた（比例した）償却ができればよいだけなんですが、複雑です。
簡単なご紹介記事ですが、よろしかったらご参照ください。

http://www.a2msn.jp/portal/blog/4/entry/200607/18.html

[9. ペンは剣より強し]

先生こんにちわ

社債発行費の償却で利息法の場合に関して質問です。

償却する時点ですが、専門学校の問題の解答では、社債利息支払い時仕訳をしているようでした。したがって、１年に２回利払いを行っている問題では、２回償却を行っていました。

この２回という回数が、納得いきません。
繰延資産の償却って通常決算整理というイメージを持っていました。
したがって、利払いの回数に関わらず、社債発行費の償却は、１年に１回なのでは？

指導よろしくお願いいたします。

[10. 講師]

ペンは剣より強しさん、こんばんは。

ここはなかなか難しいですね。
償却原価法（利息）法の方にも同じようなことがいえるかと思います。
期中の売却資産の減価償却なんかにも同じようなことがいえるかもしれません。

実務指針では、利払のつど行っていることもありますので、その方向で考えた方がいいかもしれないですね。
ただ、簿記の理論的には、決算整理と期中手続はわけた方がよいと考える方もいるかもしれません。
でも、そこまでを問う出題は以前よりもさらに出題の可能性が低くなっているのではないかと思っています。