キャッシュ・フロー見積法は、貸倒懸念債権の貸倒見積高の計算方法です。
といえます。
(1)初年度⇒債権の減額処理(将来CFの減額)
(2)翌年以後⇒償却原価法(減額された金額と額面の差額に対する償却原価法の適用)
といえます。
【キャッシュ・フロー見積法の計算方法】
キャッシュ・フロー見積法では、具体的には、
(初年度)債権金額−割引価値 を貸倒引当金繰入
(その後)割引価値−帳簿価額
または帳簿価額×率 を受取利息 又は 貸倒引当金戻入
と処理します。
その後の計算での帳簿価額は、前期以前に算定した割引価値です。
初年度は、将来キャッシュ・フローの減額による債権の減額処理をいい、その減額された債権の金額と額面金額との差額に償却原価法を適用するのが翌年以後の処理の意味です。
【キャッシュ・フロー見積法の意義】
キャッシュ・フロー見積法は、キャッシュ・フロー(現金収入)を基礎に貸倒引当金を計算する方法です。
具体的な割引価値の計算は、実際の現金収入(利息は、切下後で計算)を「当初の約定利率」で割引いて計算します。
【キャッシュ・フロー見積法の特徴】
貸倒引当金は、債権に対する控除的評価勘定です。
貸倒引当金を債権に対するマイナス勘定として捉えていないと二年度目以降の処理がわかりにくくなります。
通常の貸倒引当金の計算は、いわば繰入額を算出しています。
100円の貸付金があり、その10%が貸倒れそうなら、10円の貸倒引当金を繰入とすればよいです。
仕訳でいえば、
(借)貸倒引当金繰入10(貸)貸倒引当金10
の借方・貸倒引当金繰入を算出していました。
これに対してキャッシュ・フロー見積法は、90という金額を先に出しています。
その債権の実質的な価値を先に計算して、100−90=10という形で、貸倒引当金(繰入)額を算出しているのです。
この理解があると二年度目以降の処理は、さほど苦にならないでしょう。
1年経過して、現在価値が94円になれば、貸倒引当金の設定(残高)は6円(100円−94円)でいいので、4円の貸倒引当金を戻入れればよいです。
もっとも、実務指針ではキャッシュ・フロー見積法の2年度目以降の処理の原則的な貸方科目を受取利息としています。
計算方法も、
「直前の簿価×率」と「現在価値の差」という計算の仕方がありますが、もちろん端数処理を除いて、結果は一致します。
実際問題として1円の違いがでることが多いですが、許容範囲でしょう。
直前の簿価×率 → 受取利息
現在価値の差 → 貸倒引当金戻入
という勘定科目の使い分けが望ましいでしょう。
ただ、特に最初は、理解(ないしは記憶)しやすい計算方法、処理科目で入って、それに慣れた後に、もう一つの計算(科目)の意味を考えるといいかもしれません。
【キャッシュ・フロー見積法と償却原価法(利息法)】
キャッシュ・フロー見積法の計算構造は、満期保有目的の債券等に適用される償却原価法(利息法)と同じです。
初年度に減額された債権金額と額面金額との差額に償却原価法を適用しています。
計算に利用する金額と率を二系統(仮に名目と実質)に分けて考えると次のようになります。
(利息法)
(キャッシュ・フロー見積法)
利息法では実効利子率がわかっていないのに対して、キャッシュ・フロー見積法では、実質額の部分がわかっていない違いがあるだけです。
しかし、利息法における実効利子率の計算は難しいので、通常は問題で与えられます。
その分、利息法の方が手がけやすいでしょう。
【関連記事】
・キャッシュ・フロー見積法の戻入の処理
・利息法と定額法
・利息法の考え方
・引当金<目次>
・テキスト記事一覧
キャッシュ・フロー見積法では、具体的には、
(初年度)債権金額−割引価値 を貸倒引当金繰入
(その後)割引価値−帳簿価額
または帳簿価額×率 を受取利息 又は 貸倒引当金戻入
と処理します。
その後の計算での帳簿価額は、前期以前に算定した割引価値です。
初年度は、将来キャッシュ・フローの減額による債権の減額処理をいい、その減額された債権の金額と額面金額との差額に償却原価法を適用するのが翌年以後の処理の意味です。
【キャッシュ・フロー見積法の意義】
キャッシュ・フロー見積法は、キャッシュ・フロー(現金収入)を基礎に貸倒引当金を計算する方法です。
具体的な割引価値の計算は、実際の現金収入(利息は、切下後で計算)を「当初の約定利率」で割引いて計算します。
【キャッシュ・フロー見積法の特徴】
貸倒引当金は、債権に対する控除的評価勘定です。
貸倒引当金を債権に対するマイナス勘定として捉えていないと二年度目以降の処理がわかりにくくなります。
通常の貸倒引当金の計算は、いわば繰入額を算出しています。
100円の貸付金があり、その10%が貸倒れそうなら、10円の貸倒引当金を繰入とすればよいです。
仕訳でいえば、
(借)貸倒引当金繰入10(貸)貸倒引当金10
の借方・貸倒引当金繰入を算出していました。
これに対してキャッシュ・フロー見積法は、90という金額を先に出しています。
その債権の実質的な価値を先に計算して、100−90=10という形で、貸倒引当金(繰入)額を算出しているのです。
この理解があると二年度目以降の処理は、さほど苦にならないでしょう。
1年経過して、現在価値が94円になれば、貸倒引当金の設定(残高)は6円(100円−94円)でいいので、4円の貸倒引当金を戻入れればよいです。
もっとも、実務指針ではキャッシュ・フロー見積法の2年度目以降の処理の原則的な貸方科目を受取利息としています。
計算方法も、
「直前の簿価×率」と「現在価値の差」という計算の仕方がありますが、もちろん端数処理を除いて、結果は一致します。
実際問題として1円の違いがでることが多いですが、許容範囲でしょう。
直前の簿価×率 → 受取利息
現在価値の差 → 貸倒引当金戻入
という勘定科目の使い分けが望ましいでしょう。
ただ、特に最初は、理解(ないしは記憶)しやすい計算方法、処理科目で入って、それに慣れた後に、もう一つの計算(科目)の意味を考えるといいかもしれません。
【キャッシュ・フロー見積法と償却原価法(利息法)】
キャッシュ・フロー見積法の計算構造は、満期保有目的の債券等に適用される償却原価法(利息法)と同じです。
初年度に減額された債権金額と額面金額との差額に償却原価法を適用しています。
計算に利用する金額と率を二系統(仮に名目と実質)に分けて考えると次のようになります。
(利息法)
名目額 額面金額
実質額 帳簿価額
名目利率 名目(クーポン)利子率
実質利率 実効利子率
(キャッシュ・フロー見積法)
名目額 貸付額等
実質額 割引価値=帳簿価額(債権−貸倒引当金)
名目利率 切下後の利率
実質利息 切下前の利率
利息法では実効利子率がわかっていないのに対して、キャッシュ・フロー見積法では、実質額の部分がわかっていない違いがあるだけです。
しかし、利息法における実効利子率の計算は難しいので、通常は問題で与えられます。
その分、利息法の方が手がけやすいでしょう。
【関連記事】
・キャッシュ・フロー見積法の戻入の処理
・利息法と定額法
・利息法の考え方
・引当金<目次>
・テキスト記事一覧
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